• 437社畜
    2023/11/20(月) 19:15:58 ID:oUj2g96Mi
    >>421 続き

    「さよならカントリー」㉒そして…

    「ふぃ〜、飲んだ飲んだ〜」

    半ば強制的に退店させられた社畜職員一同は店外にて酔い覚まし中…。チェルシーみたいなおっさん臭い台詞を吐くものもいれば…。

    「オボェェ……」

    ふと気が抜け、近くの川に向かってリバースする者もいる。これが女性職員だったらとても楽しい光景なのだが、残念なことに吐き主はおっさん…

    「あ…あの先輩…」

    あ、カントリーがいた。そういえば君は今回の飲み会の主役だったよね…。もういなくなってしまう=交渉できなくなることが分かってしまうと、あまり興味がなくなってしまうのが社畜の悪い癖である。

    「……ん?」

    カントリーに呼び止められたセカンドがいつもと変わらないクールな雰囲気で振り返る。メンバーの中ではかなり飲んでいたほうなのだが、あまり状態に変化はない。酒豪なのか…。

    「…今日は本当にありがとうございました!先輩には、ほんとにほんとに迷惑かけてしまって…。ある時から距離を置かれてる気がして、その時にも『仕事辞めよう』って思ったんですけど…。やっぱり先輩と一緒にいたいから何とか頑張りました!でも結果辞めることになっちゃって…。ガーディアンさんから聞きました…。先輩が今回のサプライズを考えてくれたんですよね!さっきそれ聞いて更に先輩のことが好きになっちゃいま…」

    長い長い長い……。
    相変わらず思ったことをポンポン喋るキャラ奴。
    まあ整理すると辞めたいと思った「あの時」とは恐らくセカンドが抜け殻状態になった頃のことだろう。硬派で大好きな先輩がチェルシーの前で大泣きしてしまった辺りだろうな…。「自分は先輩の支えになれなかった」とショックを受けた。まあそんなもんでしょう…。残念ながら今のセカンドはイケメン君に依存しています。

    「私も…!旦那さんいるけど、また都合着いたら一緒にご飯食べ言ってくれますか??」

    いつの間にかご飯の誘いの話になってる…。
    てか声が大きいので普通に近所迷惑である…。
    その間セカンドは聞くことに徹している。最悪、聞き流している可能性もあるぞ…。

    「あと…あとずっと私の先輩は先輩なので!だから…あ」

    セカンドがハグした。本来ならば多分これは感動的なシーンのはず。言葉で語るのが苦手なセカンドがとった行動としてはキュンキュンポイントはなまる満点である。しかし社畜からしたらただ単にこれ以上は面倒くさいので強制キャンセルの手段を取ったとも考えられる。ちなみに社畜だったらハグしてそのまま鼻の中にベロ突っ込んで、鼻水や○糞を美味しく頂いちゃうね。

    「…はい。…はい! 大事にします!」

    あ、妄想している間にセカンドが何か言ったらしい…。いつも肝心なことを聞き逃してしまう。カントリーの発言からしてこれは憶測だが「家族大事にしなよ」位のことを言ったのかもしれない。
    残念ながら2人の会話はそこで終了。2人のわだかまりはこれで解けたかというと微妙な感じである。中々にリアルだ。

    しばらくすると各々、「お疲れ様〜」と言い散っていった。解散の音頭はなしですかい…。
    家に家族が待つ物から順にその場を去って行く。
    同居人を失ってしばらく経つ社畜は相変わらずひとりぼっち。カントリーはラッパー達と一緒に二次会にいくつもりらしい。そうだな…。社畜もたまには皆と一緒に…。


    そもそも誘われなかった。 ~完~

北海道

沖縄

人気の記事