• 806社畜
    2023/06/10(土) 15:00:58 ID:58TUzHaUi
    セカンド覚醒編④ー1 「初対面」

    「…そこやっといて。私あっちやっとくから…」
    冷静な表情で指示を出す副リーダーのセカンド。
    今日の現場を仕切るのは彼女だ。

    以前より怖さは減ったものの、クールな対応は変わらない。無駄なことは喋らず淡々と物事をこなすセカンド。

    「せんぱぁい! こっちOKですぅ!」
    カントリーはいつもと変わらず元気いっぱい。
    セカンドのことを皆「副リーダー」と呼んでいるのに、彼女だけは何がなんでも「せんぱい」で通す。過去にバリカンに「役職の意味わかる?」と注意されているのだが、直す気配がない。

    「了解…。じゃあ次は…」
    カントリーのペースに決して巻き込まれないセカンド。私語一切なしで指示を出す。

    「…はーい!あ、 せんぱい!
    昼休憩、一緒にご飯食べましょ? 約束〜!」
    カントリーはウキウキしながら指示されたフロアへ向かう。そのフロアは交渉用の御手洗がある。
    あとでカントリーに交渉でもするかな…。

    「へぇー。まともな人もいるんだねー。ここ」
    うわっ…。マエノがきた…。

    「副リーダーのことですか?
    仕事はできる人ですよ。性格はちょっと…」
    しかも今日のマエノの担当は「せーり」ときた。
    社畜of社畜のせーり。サービス残業LOVE。

    「いいんだよー。そういうので。前の職場でも、性格やばいけどホイホイ仕事こなす人たくさんいたしー。そっちのほうが全然捗るよー」
    そんな前の職場が恋しいのなら帰ればいいやん…

    「でも副リーダーはマエノさんが思ってるほど、完璧な人じゃないですよ? ほら」

    せーりが指を指す方向にはチェルシーがいた。

    「副リーダー?
    もうこっち終わるけどそっち手伝う?」
    チェルシーの声に反応するセカンド

    「え、ほんと? 早いね!うん、ちょっと人手が足りなくて…。でも無理してない?大丈夫?」
    急に口調が柔らかくなり、多弁なセカンド。
    チェルシーに心開きすぎだろ…。
    その対応を他のみんなにもしてあげたら、
    君は即リーダーに昇格出来ると思うぞ…。

    「あー。はいはい。理解しましたー。あれじゃ、ダメだね。前の職場だったら干されてる。
    役職持ちなら尚更。全然皮むけてないねー」

    おいマエノ。最後の一言余計だぞ。
    社畜の被ってるブツをケツ穴にねじ込むぞ…。

    「チェルシー?あの人…」
    セカンドがマエノの存在に気づいた。
    そう…セカンドとマエノは初対面である。

    交わってはいけない2人が出会ってしまう…

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