• 259社畜
    2022/11/25(金) 16:46:14 ID:XoMSQIeUi
    飾りつけの担当は「セカンド」
    ヘルパー技術はもちろん、知識も豊富。
    仕事以外で必要のない会話は一切話さないという
    一匹狼スタイル。

    そんな彼女は何故か「クリスマスの飾り付け」という
    役割に任命されていた。

    「…。とりあえず倉庫から持ってきたからさ。各自で飾り付けお願いね。」
    現場の職員にセカンドが指示を出す。

    「はーい」 「りょーかい」 「うっす…」
    作業的な返事が大半のなか、ガーディアンがある
    提案をする。

    「クリスマスツリーの飾り、見たところ去年と
    全く一緒…。ここ数年買い換えてないもんねぇ。
    BOSSに相談して購入できないの?セカンド? 」

    「去年のクリスマスシーズンに入院してた患者は
    今はもう誰1人いない。だから同じでいいと思う」

    セカンドは冷静に答える。
    確かにそうだ…。よく見たら去年いた患者さんは
    ほとんど退院している。中にはここで旅立った人も…

    あまりにクールすぎるその思考があったからこそ、
    副リーダーになれたのも間違いない。

    「それってどういう意味?
    思っても口に出しちゃいけない事だってあるよね?」

    ガーディアンは皆が振り返る位の声を上げる。
    うん。社畜も若干それは思った。

    「でも事実でしょ。今の患者さんからしたら全く
    新しい飾り。変な話、職員の中でも毎年新しい
    飾りと思って準備してる人もいるかもね」

    セカンドはチラッと武道のことを見る。

    武道はラッパーと飾りの玉でキャッチボールを
    していた…。

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