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「さよならカントリー」㉑アレ

「はい、じゃあみんなこっち側の壁に1列に並んで〜」

ガーディアンとチェルシーが仕切り、カントリー以外の職員が整列をする。並んでいる女性職員の交渉時の様子を脳内で比較してしまい、股間が暑くなってしまったことはシークレットベースである。君がくれたものに感謝である。

「??」

1列に並んだ職員をその対面で座ってみているカントリーは不思議ちゃんな表情。当たり前である。割と礼儀正しいカントリーは、みんなに合わせて何故か立ってしまう。…このままカントリーが端から順にビンタしていったら面白いのだが…。

「…カントリーへ。入職当初から今と変わらない明るさで…」

1番端の職員が『アレ』つまりは便箋を見ながら、カントリーへの想いを告げる。
そう、サプライズとはお手紙作戦のこと…なのだがガーディアンはそんな子供みたいな、率直に言えばセカンドみたいな考えの持ち主ではない。さらにステップアップしたサプライズなのだ…。まぁもうちょっとだけ続けて見てください…。

「ということで、また飲もうね〜」

次々と職員が読み上げていき、心配の順番が終わった。次は…武道…。

「…カンちゃん。…んっと…ありがとう」

……え!? それだけ!?魂で語るタイプ…。
それからメインキャラクター達も続々と自分の気持ちをカントリーへ告げる。それぞれ語る内容はもちろん違うが、共通して「明るい」ということがカントリーの取り柄ということが再認識できた。あそこは真っ黒だったけど。

そして最後はもちろん…セカンド先輩…。

「カントリーへ…」

カントリーだけではなく皆も彼女が何を伝えるのか、結構気になる様子。

「始めは厳しく当たったけど、ここまで着いてきてくれるとは思わなかった。だから、その…」

セカンドが珍しく緊張している…。酒のせいなのか赤面している…。可愛い…。

「…なんて言えばいいんだろ………。ごめん。やっぱり無理。ガーディアン…あとよろしく」

「え」

……まさかの棄権。カントリーも期待を裏切られたのか太い声の「え」を漏らす。でも理由はもうすぐ分かる。

「……ふふっ。らしいね。この後、外でゆっくり酔いを覚ましながら語ってね。じゃあいくよ!みんな!せーの!」

ガーディアンがそう言うと、皆が持っていた便箋をそれぞれ裏返して文章面をカントリーに披露する。

そこには……

『カ』『ン』『ト』『リ』『ー』『今』『ま』『で』『お』『疲』……以下省略
のメッセージが……!

予め決まっていた1文字だけの便箋を手に持ち、あたかも手紙を読み上げているように見せかけるも実は完全アドリブで想いをぶちまけてましたというサプライズ…。いかがだろうか…。
ちなみにセカンドの役割は『!』の文字。
まるで女性器をアピールしているような絵面だったのが社畜的ツボでした…。

「……わぁ…。みんな、どうやって話してくれてたの? …ほんとありがとうございます!!」

中途半端にお馬鹿なカントリーだが、その目には涙が…。ハートには確実に届いた様子である。

「サプライズ成功〜!じゃあ最後にカントリーから一言…」
「時間オーバーしてます!! お帰りを!!!」

店員により、お別れ会は強制終了。

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