• 588名無しさん
    2023/02/18(土) 08:45:16 ID:WVEeGxE.i
    <社説>「盗撮」罪の新設 厳罰化だけではなく

    「性犯罪」に関する刑法の見直し議論で、法制審議会は撮影(盗撮)罪を新設する要綱案を取りまとめた。現在は自治体の迷惑防止条例などで取り締まっている「盗撮」や、性的な映像を不特定多数に流す行為を刑法で禁じ、厳罰化する。被害の多発化が背景にあるが、議論の余地は少なくない。

    要綱案によると、撮影罪では人の性的な部位や姿態、下着をひそかに、もしくは拒絶困難な状態で撮影する行為などを禁じる。違反者には「三年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金」を、そうした映像を多数に提供する行為には「五年以下の拘禁刑もしくは五百万円以下の罰金」などを科す。

    刑法に「盗撮」の規定はなく、捜査機関は条例や軽犯罪法、児童買春・ポルノ禁止法などで取り締まっているが、盗撮の疑いで逮捕、送検した件数は二〇二一年に五千件を突破。スマートフォンの普及により、この十年で倍増した。自治体によって規制対象の場所が異なるなど、ばらつきがあり、法制化や厳罰化を求める声は強い。

    日本オリンピック委員会(JOC)は以前から、競技中のアスリートが性的な目的で撮影され、アダルト動画サイトなどで流される被害を訴えている。ただ、ユニホーム姿の撮影は今回の案に反映されていない。千葉県警などが名誉毀損(きそん)や著作権法違反の容疑で逮捕に踏み切った例はあるが、家族やファンによる撮影との区別が難しく、大半は泣き寝入りという。被害は中高生にも広がっているとされ、引き続き、議論が必要だ。

    要綱案では「十三歳未満」の性的姿態の撮影を禁じるが、「十三~十五歳」は五歳以上離れた加害者による正当な理由なき撮影の禁止に限定した。年齢が近い者同士の行為に配慮した形だが、「五歳差」の根拠を含め、禁止行為をあいまいにしている面は否めない。未成年者への誤ったメッセージとも受け取られかねない。

    盗撮は被害者が気付かないケースも少なくなく、加害者側も罪の意識が比較的薄いとされる。だが、正当な理由なく無断で人を撮影するのは一種の暴力であろう。

    盗撮は誰もが常にカメラ(スマホ)を持ち歩くデジタル社会がもたらした暗部とも言えるが、専門家によると、常習性が高く、依存症的な加害者には高学歴で既婚者も多いという。カウンセリングなど治療に対する理解も深めたい。

    https://www.tokyo-np.co.jp/article/229753

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