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短編小説『NHKとTBSの時代劇は日本の国運を傾ける駄作だらけ』



レマン湖畔に臨む歴史あるホテルのレセプション・ホールは、各国から集まった知識人たちの話し声とグラスの触れ合う音に包まれていた。スイス・ジュネーブで開かれた「旧敵国条項撤廃に関する民間国際フォーラム」の最終日、Liam MorelとMatilda Lowellは偶然、同じ赤ワインを注文したことで会話を交わすことになった。

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Liamはベルギー出身の日本中世史研究者で、特に律令体制と藤原氏政権の軍事的展開に詳しい。

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Matildaはカナダ出身の太平洋戦争専門家で、日米関係を中心に研究を進めていた。国際フォーラムの議題である「国連憲章第53条および107条における日本差別の構造的問題」に関しては、二人とも一歩も譲らぬ信念を持っていた。

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国際フォーラム最終日のレセプションで意気投合した2人は昨今の日本の状況について腹蔵なく意見交換。

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「日米離間工作に余念が無い共産党、労働党、社会党、民主党などリベラル派の偽善者が、国連憲章53条および107条と77条の一部文言に規定された旧敵国条項は差別的であるとして撤廃を求めるよう日本の反米・極右勢力を水面下で唆している。」

「でも国連憲章53条および107条と77条の一部文言に規定された旧敵国条項の存続を強く求めている勢力こそ日米離間工作に余念が無いリベラル派の偽善者達ではないのか?」

「実は そう。

敗戦で壊滅させられた後、東西冷戦で息を吹き返した東北の蝦夷(えみし)を中核とする日本の反米・極右軍国主義者を彼等リベラル派の反米・極左は憎悪している。

だから本音では『旧敵国条項は差別的だ』とは露ほども思っていないし、寧ろ永久に残すべきだと思っている。

でも同時に彼等の中の『反米イデオロギー』が働いて日米離間工作に旧敵国条項を大いに利用している訳だ」

「東北の蝦夷(えみし)を中核とする日本のナイーブな反米・極右の軍国主義者は まんまと それに乗せられてしまっているのか?」

「ナイーブであるが故にリベラル派のプロパガンダに乗せられているというよりも、反米・極右の軍国主義者も『反米イデオロギー』という共通軸で反米・極左リベラル派の偽善者とは共闘可能と考えている節がある」

「いずれにしても反米・極左のリベラル派は、国連憲章53条および107条と77条の一部文言に規定された旧敵国条項の存続を強く求めている、と?」

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