134

セカントリー物語 第4話 「『楽しい』って何?」

カントリーが入社して約1週間。
いよいよ実戦デビューが始まる。

「カントリー、違う。これはこう」
「遅い。次の患者さんが待ってる。手短に」
「……。笑える余裕があるなら手を動かして」

ズバズバと指摘するスパルタなセカンド先輩。

それにしても意外に長続きするカントリー。
根性はかなりある様子だ。普通ならもうギブアップか
無断欠勤のケースがほとんどなのだが…。
(セカンドが担当だと大体潰れます。
スレンダーが担当しても大体潰れます。
バリカン辺りが程よく長続きしますがあまり使えない職員になりがちです)

しかしスパルタな日々が続き、段々カントリーも余裕が無くなって来た様子…。

「……笑顔少なくなったね。いいんだよ、それで。
患者だって別に私達の笑顔を見たいわけではないの。とっとと病気治して家に帰りたいだけなんだからね。黙々とやることやってればそれでいい。無駄に笑って体力消耗するなんて馬鹿らしいだけだから。」

セカンド節全開なクールなアドバイス。

社畜はたまたま休憩中の2人が居座る食堂でそのやり取りに出くわしてしまった。物陰に隠れ耳を潜める…

「………楽しく…ないですよね?」

(……は?)
「……は?」
社畜の心とセカンドの肉声がシンクロする。

「……ンパイ…先輩!! 楽しくないですよね!!
そんなこと考えてたら全然っ…仕事楽しくない!」

顔を真っ赤にしながらカントリーが声をあげる

(いや撮影できるから全然楽しいけど…。)
「いや『楽しい』って何?」

社畜とセカンドはシンクロしなかった

人気の記事