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爆ギレカントリー⑧ 「あーん」
パァァァン!!
「うぇ!? ええ!? 」

クラッカーの音とかえで以外の職員が大勢いることに
驚く肉付き。
「あ、順番間違えた! それでも! みんな?せーの!」
『おめでとう!!!』

おめでとう!▶︎クラッカーパァン の予定が
クラッカーパァン ▶︎おめでとう!
微妙な間違いをするかえでが可愛すぎる。

「みんなぁ…。ありがとうねぇ〜。」
肉付きが少し涙目になる。
かえで…あと一押しで肉付きの涙が見れるぞ!

店員からこっそりロウソクの火が灯ったケーキを渡されるかえで。

「肉付きさん! ハッピーバースデー! 本当にお」

ロウソクの火が消えた。
かえでの興奮したハァハァ息で灯りが消えた。

かえでの悪い癖だ。興奮するとすぐハァハァする…。
辺りは爆笑の渦。
かえでの慕われる理由はそこにある。
人間味溢れる人柄。
決して雲の上の存在でもない距離感。
それでも頼りになるときはなる。
そして誰よりも人の幸せが大好き。
最高のリーダーだ。

今回の宴では肉付きの涙を拝めなかった。 皮肉にも肉付きの涙はかえでの失態のときに初披露となるのであった…。

「でさぁー! スレンダーがね!ね!」

肉付きがケーキを頬張りながら、早速愚痴を吐く。
祝いの席でも関係ないところが肉付きらしい…。
それを「ウンウン…」と聞いてあげているかえで。
というか肉付きの周りにはかえでしかいない。
肉付きの不人気さといったらもう…。
でも社畜はかえでが可愛いので、観察を続ける。

「かえで〜、はいアーン…」
肉付きがケーキをかえでにおすそ分けする。

「やったぁ〜。アーン………」
口を開けるかえで。
あぁ…。口の中糸引いちゃってるよぉぉぉ…。
沢山飲んでるし食べてるから油断しちゃうよねぇ…。

もうこの瞬間を見れたのが奇跡。
生きててよかった。
そんな夜を探している社畜はある人物も探す。
いない…。時間か…。

急いで廊下に出る社畜。
周りを見渡すと急ぎ足で歩くガーディアンを発見…。
さぁ。どんな音が聞けるかな…。
社畜は後を追った。

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