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春の生パン祭り③

「……じゃんけん?それで何を決めるの?」
スレンダーがわざとらしそうに肉付きに質問をする。

勿論医務室の皆は分かっている。

【肉付きは弁当を合法的に強奪しようとしている】

「……何って…ねぇ? だっておかしいでしょう?」
肉付きが若干おどおどしながら答える。
人間の醜い部分が丸出しである。

「これは私たちの弁当なの。足りなかったらBOSSに言えばいいじゃん」

メガネがどちらかと言うと正論っぽい発言を肉付きにぶつける。

「BOSSに!? 私が!?」

ここからは肉付きが弁当への執念をマシンガンの如く医務室のメンバーに乱射する。

・BOSSは嫌なのでメガネさん、あんたが言ってよ
・そもそも弁当の数が間違ってるんじゃ?
・みんなも私の事気づかなかった?
・それぞれ少しづつ弁当分けてくれるとか、そういう
計らいはないの?

熱弁は止まらない…。

そもそも何故肉付きの弁当がないのか…
ミステリーの真相はこの事件の約10分前にあった…

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