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春の生パン祭り④

約10分前

「じゃーんけーん…………ホイッ!!!!!」

何故か1個だけ余った弁当を賭けたじゃんけん大会が医務室で開催されていた……。

「やりぃー! お酒のツマミに最適〜♩」
優勝したスレンダーはセンターポジションの権利……ではなく肉付きの分の弁当を見事獲得。
トートバッグの中に唐揚げ弁当がINされる。

この時、肉付きが市民フィスティバルで受付の手伝いで出勤していたので現場には顔を出していなかった。
そもそも出勤していたことすら、医務室のメンバーは知らなかったのだ。
肉付き分を合わせた正式の弁当数をちゃんと確認しなかったメガネは肉付きの問いに「確認したもん」と、平然とダウト。
そのまわりも(まさか肉付き分だったとは…)と思いながらメガネに続けてしらを切る始末。

これがミステリーの真相だ。



完全被害者「肉付き」はまだ弁当について熱弁中。
スレンダーの目は泳ぎまくる。
トートバッグ、自身の弁当、肉付きの顔を行ったり、来たり。

スレンダーはこの様な人間トラブルにめっぽう弱い。
医療的なものには冷静に対応出来るのに…。

しばらくしてスレンダーが思い出したように言う。


「肉付き……、パンでも食べる?」


後ほどスレンダーにその発言に対して聞いたところ…
・朝ご飯で余った焼きそばパンをあげようと思った
・決して「まぁまぁパンでも食って落ち着け」という意味で言ったわけではない
・本当に申し訳ないことをした
とのことでした。

結果的にはヘルパーチームで余った弁当を貰い、この事件は解決。 医務室の人間性が色々と露わになった出来事でした。

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