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メンタルバキバキ⑥-2 「オナジフク」

「…社蓄さん?大丈夫ですか?」

え? その声は…。社蓄はパッと目を開ける。

バ、バリカン…。

「え!? あっ? ええっ??」
社蓄は動揺。

トレインマンに目をやると確かにバリカンと何やらモゾモゾしている様子が確認できた。

「気分…悪いんですか?てか今日休みですよね?」
社蓄は更に動揺。

「○○〜○○〜駆け込み乗車に…」
気づくと車両は駅に到着していた。

「だ、大丈夫!す、すまんねーすまんね!!」
よく分からないテンションで緊急脱出する社蓄。

「??」
不思議そうな表情で扉が閉まる車両から社蓄を見つめるバリカン。何が何だかさっぱり分からない…。

「社蓄、何俺以上に焦ってんだよ〜」
同じく脱出したトレインマンが話しかけてくる。
お前はなんでそんな余裕なんだ…。

「それよりみろよこれ! ウケない?」
トレインマンの手にはごっそり陰毛が握られていた。

(手加減を知らないのかよ…こいつ)

「あいつ1箇所だけハゲが出来たから、帰ったら即股間の模様替えだな。アッハハ! あとさ、これ嗅いでみ」
トレインマンが中指を目の前で立てる。
場所と相手によってはお前殺されるぞ…。

「臭っ!!!」 その匂いは紛れもなく……

「結構深くまでケツ穴イケたわ〜。バリカンだっけ?可愛い顔してこの匂いはウケるね〜」
ああ…。やっと分かった。
トレインマンが接触した相手はバリカンと「同じ服」を身にまとった他人だ…。

バリカンの服のセンスは在り来りすぎかつ無難。
よってモデルさんと同じ服を買う習性がある。
いわゆる「マネキン買い」だ。
その在り来りすぎる服装を来た別人がバリカンの代わりに陰毛をむしり取られてしまった…。
ウチのバリカンが済まないことをした…。
だがその反面ホッとしてしまった社蓄もいた。
バリカンがもし陰毛をむしりとられていたら…
もしケツ穴を…知らない男に…。
そう考えたら涙が出てきそうになった。

「んじゃお疲れ! 解散!」
トレインマンが部活終わりの雰囲気でその場を去る。

空を見上げるとお土産の陰毛が舞っていた。

※チカンダメ!ゼッタイ!

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