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「初めての子ども参観日」②

市民フィスティバル

年に1度行われる地域全体で行われるイベントだ。
近くの野外広場を貸切って開催される。
社蓄病院も毎年参加しているが、大体トラブルが発生することが多い。
ラッパー軍団の無謀なバンド演奏など…。

今年は無難に「金魚すくい」ときた。
でも一応病院なので血圧測定コーナーも設けている。
セカンドはその血圧測定の機械のスイッチを押す担当である。果たしたその業務光景は「頑張っている」ように見えるのだろうか…。

「セカンド…笑顔!笑顔!」
同じくスイッチを押す担当のガーディアンがセカンドにレクチャーをする。

「社蓄病院は怖い人がいるんだーって思われるよ?
セカンドは笑うと可愛いだからさ?ほら!笑顔!」

そう言われたセカンドは仕方なく、作り笑いをする。

「へぇー。そんな顔することも出来るんだ〜。新鮮」
同じくブース内にて献血にご協力下さい的なボードををぶら下げているスレンダーがセカンドをからかう。

そしてその横で注射器の被り物を無理やり着させられている社蓄。暑い…。

「スレンダーさ〜ん?茶化さないで貰えますー?」
ガーディアンがスレンダーを睨みつける。
もちろんジョークだ。
大の大人の2人だからこそ出来るやりとりである。

「あー、残念。ほら!1匹サービス!」
ありがとねーちゃん!と子供から感謝されているのは田舎娘のカントリー。 金魚すくいの窓口担当だ。
持ち前の明るさからしてピッタリの役割である。

普段から交渉でお世話になっている皆様に囲まれて、笑いが絶えないこの空間…。素晴らしすぎるっ!!
ただ……
このイレギュラーな人物を除けばもっと幸せなのに

「ほらっ坊主。ズルすんなよ?」
そう言いながら「すくうアレ」を子供に渡す職員。

その名はチェルシー

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