• 618社畜
    2023/05/12(金) 17:26:54 ID:GHVys.eoi
    ラッパー制裁編④

    突然の乱入者に動きを止める2人。

    「…!! ガーディアン!」
    チェルシーは自分と武道の間に割って入ってきたガーディアンに驚く。

    こんな光景、前にも見たような…。

    「また喧嘩みたいなことをして…。チェルシー?大人なんだから少しは落ち着いてよ…」

    バリカン信者の中でも特にお母さん気質のあるガーディアン。
    チェルシーも言われて少し恥ずかしくなったのか、目線をガーディアンから外す。

    「それとね、武道? あなたがやったことは立派な暴力なの。お金を盗んだ人と一緒で犯罪になりかねないんだからね?」

    武道に対してキツい口調で注意するガーディアン。

    「……いいんです、大丈夫です。…自分が悪かったっす。…ハァ…ハァ。すんませんでした」

    危うく現世からサヨナラしそうになった男職員が謝る。意外にまともな思考の持ち主だったみたいだ。

    「……本当に大丈夫なの? 武道、あなたも謝りなさい。何を言われたのか知らないけれど、あなた達の日頃の行いの悪さからして今回の件はフォローできないと思う。それは分かってね? さ、謝りなさい」

    ガーディアンが謝罪の機会を設ける。
    武道が誠意を見せることができれば、少しは今回の暴力沙汰のインパクトを薄くすることができる。上手く行けばお咎めなしかもしれない…。
    さすがガーディアン。どちらにも優しい…。

    さあ武道!どうする!?

    「……?」

    ダメだ……。意味を分かっていない……。

    「武道さん…。とりあえず謝ればいいんですよ」
    カントリーが武道へシンプルなアドバイスをするが、お前のその『とりあえず』っていうのも相当やばいぞ…。

    「はぁ……。やっぱり難しいか…。よくここで仕事やっていけてるね…」
    流石のガーディアンも呆れる。

    が、その態度が気に食わなかったのか。
    武道がガーディアンに向かって動き出す。

    「え!?」

    その場所にいた職員が全員声を漏らした。
    まさかの非戦闘民族のガーディアンを標的にするとは誰も思わなかったからである。

    チェルシーも油断していたのか初動が遅い。
    ここぞと言う時に登場するセカンドも本日はお休み。
    社畜はリョナも好きなので動く気なんて更々無い。

    「……ヤメッ…!」
    戦闘に慣れていないガーディアンは怯えながらその場で立ち尽くす。何とか顔を手で覆ってガードするのが精一杯といった感じだ。

    ガーディアン絶体絶命のピンチ……

    ▶︎続く

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