620

ラッパー制裁編⑤

「……!! 離して…カンちゃん…」

あ、武道が喋った…。
いやいや、驚くところは他にもある。

なんとカンちゃん、もといカントリーが武道を制止しているではないか……。

「……武道さん…ダメです…。これ以上手を出したら武道さんもだけどラッパーさんも…ぅぅ」

カントリーが両手を使い、やっとこさ武道の片方の腕を掴んで引き止めている。
背丈はカントリーの方が圧倒的に有利なのに…。武道はとんでもない馬鹿力の持ち主だということが改めて分かる…。恐ろしい…。
中途半端な気持ちで襲いかかったら返り討ちに合うのは確実だろうな…うん。

「ラッパーさん悲しんじゃいますよぉぉ!」

歯を食いしばりながら武道に向かって訴えかけるカントリー。

それを聞いて武道のキレた表情が少し緩む。

そう、ラッパーと武道といえば社畜病院の悪ガキコンビとして有名。
でも当事者同士では「ウチらズッ友だかんね!」
といった大切な仲間である。

「純粋に心の底から仲が良い…ティーンネイジャーみたいな2人が私、大好きなんですぅ!
……ッ! だから! もうよしてくださいっ!」

「…カンちゃん…」

効いてるっ!
カントリーの言葉のチョイスは相変わらずだが、確実に武道に効いている!

ガーディアンも顔を覆っていた手のガードを解き
、その光景をまじまじと見つめている。

「武道さん………」
武道の感情の変化を感じとったのか、カントリーが安堵の声を漏らす。

「さ、仕事しましょ!楽しく仕事♪」
続けてカントリーは武道の手を引っ張り、その場を離れようとする。

「あ、待って。武道、しっかり皆に謝まっ」


ッパァン!


ガーディアンに武道の強烈なビンタが放たれた


▶︎続く
「次回 ラッパー登場」

人気の記事