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ラッパー制裁編⑥

そして翌朝、職員室にて
「オハヨ~、あーだるー。ん?なにこれ?」

昨日お休みで事情を知らないラッパーが出勤。
職員室にて、ある張り紙を目にする。
その貼り紙の内容は先日バリカンが話した窃盗事件についてである。
バリカンも毎日出勤している訳ではない。
そんなことするのは社畜の社畜くらいである。

目を細めながら内容を確認するラッパー。
彼女は視力があまり良くないため、目を細めるクセがある。メガネをすれば良いのだがあまり似合わない。かと言ってコンタクトもすぐ外れてしまうらしく、裸眼で勤務をしている。
自然と目付きが悪くなるので、余計ヤンキー度が増してしまうのだ…。

そんなラッパーの背後で職員たちが小声で何やらヒソヒソと話している。

「お、犯人登場」
「やめなって…武道のときみたいになるよ?」
「にしても読むスピード遅いなぁ。頭悪い証拠だよな〜」

言いたい放題陰口をヒソヒソ言われるラッパー。
ちなみに社畜はラッパーのケツを凝視。
今日のパンティーの色と昨日のことについて考えていた。


ッパァン!

カントリーが抑えていた武道の手がスルリと抜け、ガーディアンの頬を見事ヒットする。

「………」

ショッキング過ぎて誰も何も言えない…。
ただ社畜の股間は熱くなっていた。
綺麗な女性が、一回り以上離れている年下にビンタを喰らったのだ。屈辱だろうに…。堪らん。

その後は簡潔に述べるとこんな感じである…。
①チェルシー「このやろう!」
②ガーディアン「やめて!」
③武道がしたことは許せないけど、今後の勤務態度について改める良い機会だと思う。
④少なくとも『誰かの役に立ちたい』という気持ちで病院で働いているのならば、それを全うしなさい。
⑤申し訳ないけど男職員さんが良ければ今回の件は他言無用で。
⑥胸ぐら男子「おkです」

そして現在に至る。
どんだけ甘デジなんだよガーディアン……。

「んだよ!!!!コレ!!」

ラッパーが何やら怒っている。
どれどれ……読めない漢字でもあったのか…。

社畜はラッパーの横に並び、張り紙を見る。
その貼り紙には
『○月✕日、とある職員の休憩室に置いてある財布からお金が抜かれることがありました……』とバリカンが言ったことがそのままワープロで書いてあった。相変わらず固くてつまらない文章…。

しかし最後に手書きで小さくこう書いてあった。

『犯人はラッパー』

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