• 624社畜
    2023/05/14(日) 14:16:54 ID:al04c8Foi
    ラッパー制裁編⑦

    少々呼吸が荒いラッパーは周りを見渡す……。
    勿論、皆目をそらす。

    「…チッ! 社畜?ウチじゃないからね?」
    隣にいるラッパーがこちらを向いて言う。

    誰が愛している人を疑うものですか……。
    当たり前です。信じます。
    そもそも読んだ後の彼女のリアクションは
    『やっていない』人のものだった。

    「ありがと社畜…。くそっ…。みんな!ウチはやってないからね!本当に!ほんと!!」

    単純なラッパーらしく、冤罪の主張を大声でアピールする。
    周りの職員はそれでも知らんぷりである。

    「無駄だよ。だってどう考えてもあんたじゃん」

    その声はマッシュ……。
    おまえ仲間のハズでは…。

    「んなわけないでしょ! なんの真似!?」
    ラッパーがさらに取り乱す。
    パンティの中から陰毛むしり取ったら更に取り乱しちゃうのかな…。

    「○月✕日、お金を抜かれたのは『はざーど』でその日の勤務は夜勤だった。夜勤は3人勤務でしょ?あとの2人は『せーり』と『あんた』」

    マッシュが探偵のようにベラベラ喋り出す。

    「……だから? なんで犯人がウチなの?」
    その意見ごもっともだよ、ラッパー。

    「この話ね、せーりから聞いたの。本当は役職者しか知らされていない内容らしいんだけど、私が問い詰めたら教えてくれたの。キャプテンであるせーりが人の財布を覗くわけないもんねぇ? それに個人的な見解だけど、せーりにそんな度胸はない。よって貧乏人のあんたが怪しいってわけ」

    強引な考察だ…。
    まあラッパーに偏見がある連中からすれば、十分な証拠材料であろう。
    それにせーりはマッシュに対してはかなり弱い。昔バンドを一緒にやっていた時にプレッシャーをかけられ精神的に支配されているからである…。
    うーむ……闇が深い。

    「…そんなのでウチが犯人だと思ってるの?」
    ラッパーがマッシュを含む周りの職員に問う。

    「……」
    皆何も言わない。

    「……。くっだらな。とにかくウチは絶対やってないから!!」

    震えた声を出しながらラッパーがその場を去る。
    ……涙目だった。
    (もちろん早退です。新記録樹立しました)

    というかマッシュ…おまえラッパー軍団ではなかったのか…。一体何が…。

    ▶︎続く
    (次回 ラッパーについて語ります)

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