630

ラッパー制裁編⑧

ラッパー(25)
彼女は恰幅が良い。
沢山食べて、飲んでの生活をすれば誰だってそうなるだろう。
しかし、彼女はそこまでお金に余裕がない。

大家族の長女であるラッパーはお給料を毎回ちゃんと家に納めている。しかしそれでも生活費は足りないこともあり、自分のお小遣いを削っている始末だ。

金欠なラッパーは社食を頼まない。
食事はいつもコーヒーと煙草だけである。
なので社食にイタズラができない…。
辛い……。

話は戻り、何故そんなラッパーは健康な体を維持
できるのか。
『夜遊び』でたんまりご馳走してもらっているからである。お相手は強面のお兄様達。

元々コミュニケーション能力が抜群に長けているので、どんな人種とでも仲良くやっていけるスキルがある。自称、副業のラッパーも親交を深めたヤンキー達から勧められて始めたらしい。

身体の関係も勿論あるだろう…。
そこは社畜的に目を背けたいところだが、彼女が生き抜くためには仕方がないのだろう…。

そして今付き合っている彼氏もあまり社会的には良くない側の人である。
ゲーム実況主としてそこそこ有名らしい。
そいつとの関係も本当は早く断ち切って欲しいと社畜は思っている。

なんだかんだ仕事を続けながら家族のために働く純粋なラッパーを見ていたい。
生きるために無理な生活はしてほしくない。

ラッパーへの恋心なんてつい最近まで全く、これっぽっちもなかったのに…。
意識し始めると色々なことに目がいってしまう。

2日連チャンで同じパンティ履いているのはお風呂が嫌いなのかと思っていたが、そもそもそれ以前の問題だったのかもしれない…。

頭にフケがよく溜まっているのも仕事を何だかんだ頑張っているからだと感じていたが、根本的な生活スタイルの問題なのかもしれない…。

考えだしたらキリがない…。

でもこれだけは言える。
ラッパーは窃盗なんてことはしない!

食堂でそんなことを考えていると、聞き慣れた声が耳を通り抜ける。

「せんぱぁい!!絶対ラッパーさんはそんなことしないはずですぅ!!」

▶︎続く
(次回 セカンドの見解)

人気の記事