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ラッパー制裁編⑩

それから数日が経った…。
ラッパーに対する職員らの目線は相変わらず白いままである。おまけに武道も避けられている。
何もそこまでしなくても…。
と思う位、職員の連中は冷たい態度である。

しかしそれに勝る程驚いたのは、ラッパーと武道がしっかり出勤をしているということだ。
社畜が同じ立場だったら絶対に出社しない。
家でアニメかゲームをして現実逃避をしたい。

さすがヤンキー。根性は確かに本物だ。
だがしかし……

「っぜー。
アイツら端に並べて順番にマジ殴りしたいわ」

「うっす」

態度は相変わらず悪いまま…。

「み、みんな…。一応仲間なんだから…。
事件のことは被害者の職員からもう深い詮索はしないでって話があったからさ…。いつも通り仕事をして…ね?…」
リーダーのバリカンがおどおどしながら、職員達へ語りかける。

「一応…?仲間? ハァ!? バリカンさぁ!
リーダーのあんたまでもがウチのこと犯人って決めつけてんの?」
ラッパーが食いついた。

「いや…違うって…。
『一応』ってみんな『一応仲間』なんだからっていう意味…。だから…違うよ」
オラオラ口調にたじろぎながら弁解するバリカン。

「違う!全然違うね!『みんな』じゃなくて『ウチのこと』を『一応仲間』って言ってた。
ちゃんと聞いてたもん」

「そ、それは違うよ!私が言った『一応』は…」

Oh…ニホンゴムズカシイデスネ…。
2人の言いあいっこはしばらく続く…。

「あれでも2人は仲良かったんだけどね〜」

っ!? ガーディアン…! ビンタ事件ぶり…。
あなたが年下の女にビンタされた瞬間、股間が熱くなってしまいすみませんでした。

「前にもそんな話してましたよね〜。信じられないですよ…。少なくともリーダーが原因で仲が悪くなったことは何となく分かります。はい」

「カントリー! リーダーが悪いわけじゃないの!
一応それには理由があってね…」

ガーディアンに続いて、カントリーも登場…。
ラッパーとバリカンの関係のことも気になる。
だが状況はそれどころではなくなった…。

「っるせーな! リーダーの言うことに文句あるならまず手を動かせよ! 落ちこぼれ!」

・チェルシーが入室しました

▶︎続く
「次回 改心そして告白」

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