• 670社畜
    2023/05/21(日) 18:04:07 ID:Fvs6k1WMi
    ラッパー制裁編⑭

    「私は皆の人間性を疑う」

    セカンドの登場は意外だった。
    今回の件は静観していただけに、ここで一言物申すのはケツと同じくかなりインパクトがある。

    なにより…
    (お前にだけは人間性を疑われたくねーよ)

    といった心の声の大合唱が職員達から聞こえる…

    「あ…、でももう「はざーど」が謝ったから…」
    バリカンがなにやらごちゃごちゃ言う。

    「謝った? 謝ってないよね?
    『すみません』って普通に言えないの?
    いくら勘違いでもここまで話を大事にしておいて よく言えるね?」
    セカンドは相変わらずの鋭い言葉をぶつける。

    「面白半分でラッパー達を叩いてた皆も同じ。
    謝りなよ。本人達が目の前いるんだから」
    この圧力は彼女は副リーダーという役職のおかげであるものではない。元から備わっている天性のスキルなのだ。

    「………ラッパー、ごめんな」
    とある男職員がラッパーに向かって謝罪する。
    それを皮切りに
    「ごめんなさい…。ひどいこといっちゃった」
    「すみませんでした! 今後気を付けます…」
    「陰毛濃いけどそんなあなたが大好きです」
    該当する職員が次々と謝罪をする。
    ちなみに最後の一言は社畜の魂の叫びだ。

    そして……
    「…すまない。『今回の件』は私が悪かった!」
    チェルシーが2人に頭を下げる。
    自分の正義感との葛藤が苦しかったのだろう。
    その申し訳なさそうな顔は本物であった。
    しかし『今回の件』と強調しているあたり、そのプライドは中々曲げられないものだろう。
    それだけラッパー達に手を焼いているのだ。
    その証拠に…
    「えへへー。いいんだよーみんな!分かればよしっ
    !正直ウザかったけど、反省してるんなら良し!」
    「うっす」

    ラッパー達は『その時の気分』で物事を全て決める。普通この状況なら多少、相手を罵っても構わないと社畜は思う。
    でも彼女らはそれを普通に許す。
    予想外な行動が良い方向に向かえばよいが、その逆方向に物事が動いた場合は最悪だ。

    「……」
    そのあまりに軽すぎたリアクションに少しイラついたのか、チェルシーは頭を下げながらも拳をギュッと握っていた。社畜のあそこも握って下さい

    「あのー、誰よりもラッパーさん達に謝らなければいけない人がいますよねー? 」
    急に発言をする「せーり」。お前いたのか…。

    「あれー? 誰よりも大きな声でラッパーさんのことを犯人と明言していたマッシュさーん?」
    せーりの呼び出しにおどおどするマッシュ…。
    いたのか…。図体でかいのに気づかなかった
    せーりのマッシュへの長年の逆襲が今始まる…。

    ▶︎続く 残り2話

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