811

セカンド覚醒編④ー3 「依存性」

「…ボソ…ボソ…ソボロ」
チェルシーが何やらセカンドに耳打ちする。
社畜の位置からでは距離が遠く、聞き取れない…

セカンドがコクリと頷き、口を開く。
何か理解したようだ。

「ウン…。研修中だったよね。ごめんね…。
今忙しいから…それじゃ」
そう言いチェルシーとその場を離れるセカンド。

「相手にするな」とチェルシーに言われたに違いない。チェルシーの方がセカンドよりも幾分か、大人の対応ができる。

マエノの狙いはよく分からないが、とにかく相手をおちょくる傾向にある。自分より劣っている相手が不愉快になる顔がきっと楽しいのだろう。
中々の悪趣味である。

「キャプテーン? 彼女達大丈夫ー?
私さー、なんか手を出されそうになかったー?」

ニコニコしながらマエノがキャプテン「せーり」に問う。
せーりは「キャプテン」という役職に就いているが、先の「副リーダー」の解説と同じように特にこれといった役割はない。

「あー、気をつけた方がいいですよ。あの人たち怒りやすいんで…。今はあんな感じで仲良くしてますけど、昔は取っ組み合ってましたからね」

「げぇー。なんか見苦しいー! 野蛮すぎ。

でも前の職場にもいたわそんな奴! あのね…」
マエノがまた前の職ry
それでも「ウンウン…」と聞いている「せーり」はすごい。メンタルが強すぎる。


時は流れ、お昼休みまであと5分ほど…。

社畜は久しぶりに心配とご飯でも食べようかな…
と考えながらセカンドとチェルシーのもとで仕事をしていた。

「ったく…。あとから腹立つタイプだなあいつ。あんたのこと止めなきゃ良かったかもな」

チェルシーがセカンドに愚痴る。
アイツとはもちろんマエノのことである。

「…うん。私は全然いけたよ。チェルシーの事を悪く言われたから遠慮なくいける」
怖えよ…セカンド。

「怖えよ…。冗談だって! まぁでも腹立つなー」
チェルシーもまともな意見。良かった…。
お腹ぺろぺろ舐めたいよ。

「ま、これから昼休憩だし一服すっかなー」
お、もうこんな時間…。
チェルシーの身体は喫煙所に向いている。

「あ、私も行く…」
非喫煙者のセカンドもチェルシーの背中を追う。

「えー、おまえ子供に『タバコくさい』って言われんぞー………」
心配するチェルシーの言葉を最後に2人は喫煙所へと消えていく…。

何か忘れてないか…セカンド。

人気の記事