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セカンド覚醒編⑥ー1 「チェルシーの意外」

セカンドは家庭のこともあるため、仕事が終わるとすぐ退勤してしまう。
当たり前のことなのだが社畜の社畜からしたら、とても異常なことだ…。
そんなセカンドのリラックスしている姿は休憩中、つまり食堂でしか見ることが出来ない…。
なので今日も社畜は食堂でセカンド観察。

「せんぱぁい…?
『ライセンス』の勉強できてますー?」
カントリーがセカンドと食事をしている。
以前の約束をすっぽ抜かされたことは水に流したようだ…。果たしてちゃんと流れきったのか…。

「…うん。よく分かんないけど大丈夫そう」
全然大丈夫じゃない気がぷんぷんするセカンド。
正直あまり勉強が出来るイメージが強くない…。
仕事は勿論できるほうだが、セカンドの場合はほとんど持ち前のセンスで乗り越えてきている。
完全感覚ドリーマーである。午前1時。

「別に受からなくても平気ですよね〜。せんぱいとお仕事できればそれだけで楽しいですもん♪」
能天気なカントリー。

「平気な訳ないだろ」
「ヒィィィィ!」
突然のチェルシーの登場に相変わらずリアクションが大きいカントリー。

「リーダーは勿論だけど、副リーダーのあんたも受からないと役職者として恥だからな。別にカントリーはどっちでもいいけど」
なるほど。チェルシーが言うことは最もである。
しかしカントリーへの扱いが少々雑だ。
言った本人は悪気がないと思うのだが、今の精神状態のカントリーの事を考えると…。ほら…。

「………」
カントリーの目つきが怖くなる。
チェルシーを明らかに敵視している。

「…そんなチェルシーさんは勉強してるんですか?私たちのこと気にしてる暇はないと思います」
カントリーが珍しく反抗の姿勢を見せた。
脳筋のチェルシーに心配される筋合いはないというところだろうか…。

「ん? いやもう持ってるけど?『ライセンス』」

『え』

セカンドとカントリーと社畜がフリーズした。

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