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セカンド覚醒編⑦ー4 「置いてけぼりセカンド」

「…チェルシー!? あ、え?なんで??」

はざーどが更に挙動不審な口調になる。
しかもチェルシーに対して、「さん」付けを忘れている。本心丸出しになるほど焦っている…。

「『なんで?』じゃねぇだろ…。人が言ってもないことをペラペラと…。セカン…副リーダーが普段入らない休憩室に入って中々出てこないからどうしたのかと思ってみたら…。これだよ…」

チェルシーもガーディアンと似てお母さん気質強めなので、セカンドのことが気になるのは仕方ないのだが…。このタイミングは結構修羅場…。

「ち、ちがう…。 だって!! チェルシーが本当におかしいから!最近リーダーのこと一緒に考えてくれないし、勉強教えるのだって大変だし、それでもリーダーには頑張ってもらいたいし! そんな大事な時によく分からない連中と仲良くするチェルシーの神経が分からない!私だってもう1人きりでフォローをするのは限界なの!!」

はざーどが爆発した…。日に日にバリカンの扱いが雑になっていく…。

「…。悪かったよ…。辛かったんだよな…。
でも、だからと言ってそんな汚い方法を使うのはナシだろ。セカ…副リーダー?私はそんなこと言ってないからな? 本当だから! な?」

チェルシーもチェルシーで何か斜め上の返答をしている気がする…。
皆のお母さん「ガーディアン」の損失はかなりデカい。

「…? ほんと?? ほんとに? 」

「ああ!本当! 本当だって!!」

セカンドとチェルシーのこのやり取り…。
この2人はもう30を超えた、大の大人です。
2人とも立派な母親です。

「…よかったぁ。ほんとびっくりした。うん」

ようやく落ち着きを取り戻したセカンド。

「はざーどさぁ…、この前の『財布のこと』で懲りなかったの? 嘘で人を傷つけることはダメだって分かんなかった?」

追撃するチェルシー。『財布のこと』とは過去のラッパー制裁編でのことである。参照願います。
あれ…でもその『財布のこと』ってセカンドは、真実を知らないハズじゃ…。

「? 財布のこと? なにそれ?
もしかして随分前のラッパーが疑われてたやつ?」

ほら…気づいた。しかも勘が鋭いセカンド…。

「あ…。なんつーか、な!? はざーど?
財布無くしちゃったんだもんな?」

今度はチェルシーが焦り始める。

「あれは私が最初から嘘をつかなければ…。こんなことに…。リーダーの為だったのに…」

チェルシーの折角のフォローをガン無視で急に自白を始める「はざーど」…。収集つかないぞこれ…

ガラッ!

「ただいま〜、ジュースどっちが良い? って…え」

バリカンがcomebackしました

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