347

僕ワキ③

自分の脇から発する臭いに似た、この香り…。
とっさに振り返ると「はざーど」の姿はもうそこには
なかった…。

(はざーど…君は一体何者なんだ…。)

社畜はこの日から はざーど の香りの原因の明確化を
追求することに決めた…。

まずは情報収集。
「裕太君」という社畜の悪友は、職場の飲み会に必ずといっていいほど参加をしている。職場内ゴシップの情報量はかなりの物だ。

ある日の休憩時間に早速裕太君に はざーど について聞いてみる。


「あぁ、ワキガの子ね」


言い忘れたが裕太君は思ったことをありのままに
話すタイプの奴だ。
内気な性格の人=コミュ障・早期退職予備軍
裕福な体格の人=デブ・豆タンク
など、かなり言葉のチョイスにデリカシーがない。

「いやもうあれは完全にワキガ(笑)
可愛いのに勿体ないよね〜。仕事もできるのにさ」

確かに…。 まだ新人のうちに何とかしてあげたい
気持ちはある…。役職についてから「ワキガの人」と
ニックネームをつけられるのはあまりにも可哀想だ…

「すみません!ワキガール先輩みませんでしたか?」
「酸っぱい匂いを追ってみれば会えるんじゃない?」

こんな会話なんてさせたくない!

同じくワキガの呪いにかかっている社畜は何とかして
はざーどを救おうと決意したのであった…。

※珍しく人助けの話ですが、しっかり社畜は闇堕ち
する予定です。

人気の記事