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第2章:忍び寄る違和感と脅迫
最初は、ただの奇妙な違和感でしかなかった。
学校にいる時や、家での私生活の最中、Bは何故か自分の恥ずかしい部分に落ち着かない感覚を覚え始める。
凄いくすぐったいような、筆で優しく撫でられているような、あるいは誰かの指でくすぐられているような、そんな得体の知れない感覚だった。
最初は原因が分からず、Bは一人でその落ち着かない感じに深く悩まされることになる。
しかし、その苦悩は日を追うごとに激しく悪化していった。
単なるくすぐったさだった感覚は明確な快感へとエスカレートし、よりにもよって、授業中や発表中など、Bが「一番知られたくない場面」を狙い澄ましたかのように襲いかかってくる。
恥ずかしい声が我慢できないほどの強い気持ちよさに襲われ、Bは必死に声を押し殺しながら、顔を真っ赤にして悶えるしかなかった。
日を追うごとに、郵便受けから球体を拾った見知らぬ野次馬たちの悪意が伝播し、悪化しているのだ。

そんなある日の学校からの帰宅途中、決定的な出来事が起きる。
路上を歩いていたBは、見知らぬ男性から突然、一枚のメモを渡された。
Bが「え?」と困惑している間に、その男性はすぐにその場から立ち去り、雑踏へと消えてしまう。
気味が悪くなりながらもBがメモに目を落とすと、そこには短い言葉でこう書かれていた。
『寝るな、トイレに行くな、胸や下半身に触るな』
あまりの気持ち悪さに、Bはすぐにそのメモをその場に投げ捨てて帰宅した。
しかし、恐怖はここから本格化する。

メモを捨てたその日から、Bがその『禁止事項』を行うたびに、ピンポイントでそれまでとは比較にならないほど激しい感覚が襲ってくるようになった。
トイレの中にいる時。布団に入って寝ようとしている時。不快感やつらさから、自分の胸や下半身に手を当てて触って押さえている時。
その瞬間に、まるで狙い澄まされたかのように、もっと激しく気持ちよくされる回数が増えていった。
Bは、あの時、渡された気味の悪いメモが、自分の身に起きているあり得ない快感と直結していること、そしてそれが本物の脅し(行動制限)であったのだと恐怖と共に察し始める。

「自室に監視カメラでもあるのかな……」
あまりにも自分の行動が正確に狙われるため、Bは部屋の中をくまなく必死に調べた。
しかし、どこを探しても怪しい機械やカメラなどは何も見つからない。
その必死の捜索を、闇ガジェットの球体を握っている攻撃側は、目をつぶることで発動する遠隔カメラ機能(生中継)でバッチリと覗き見していた。
必死に空回りの捜索をする◯6のBの姿を見ながら、攻撃側は画面の向こうでこっそりとほくそ笑む。
(そんなところ調べても無駄だよw 君へのいたずらは誰もやめないよw)

思い悩んだBは、恥ずかしくてたまらなかったが、ついに母親に助けを求める決意を固める。
リビングにいるママのそばへと歩み寄り、意を決して話しかけようとした、まさにその瞬間、恥ずかしい部分を針でつんつんされるような鋭い激痛が走った。
あまりの痛みに耐えかねて、その場に激しくしゃがみ込んだBに対し、母親は驚いて「どうしたの?」と心配そうに声をかける。
しかし、これ以上しゃべればもっと酷い目に遭わされるという恐怖がBを支配した。
本当のことは何も言えず、Bは「なんでもない」とだけ絞り出し、自分の部屋へと逃げ帰るしかなかった。

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