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「真性・社畜物語」⑨「何かいるのです」

「ァァァァァァァ!!!!!!」
食堂で昼休憩をしている時に事件は起きた。

「?? なんだろう〜。テレビの音じゃないよね〜。テレビ消えてるもんね〜。怖い〜」
一緒にランチを楽しんでいた心配が心配をしている。食べながら喋っているので、口の中のカップヌードルのぐちゃぐちゃになった麺が丸見えだ。
社畜はこういう汚いの大好き。ずっと見ていたい。あ、口の中糸引いてる。さいこぅ…。
しかしその至福の時はすぐに終わってしまう…。

「社畜!!! 早く来て!!」
スレンダーだ…。いい所なのに…。
休憩室までスレンダーに連行される社畜。
その間、詳細を教えてくれた。

第1発見者のモブ女職員曰く
・休憩室の前で頭をガンガン壁に打ちつけている未経験を発見
・「大丈夫?」と声をかけても無反応頭ガンガン
・さすがにマズいと思い、制止させようとしたら「ァァァァァァァ!」
・その場で医務室に内線通報

「ってわけ! 何が出来るか分からないけど、とりあえず男手が必要だと思うから呼んだの!」
なるほど。そのモブ職員はトラウマだろうな…。
そして事件現場に到着。

「ァァァ…ァァァ!!!」
うーん…見事に壊れてしまっている。
落ち着かせてあげたいが、向こうからしたらほぼ面識のないおじさんが声をかけたら余計混乱してしまうかもしれない…。ここはスレンダーに任せるしか…。

「社畜だと余計混乱させるから私が話しかけるもし暴れて自傷行為に走ったら一緒に止めてね。おっけー?」
さすがスレンダー。
社畜の心の中までも読んでいるとは…。
しかし今社畜が夢中なのは壊れた未経験ではなく、パン線がガッツリ浮き出ているスレンダーのお尻なのだよ…。それに気づかないとはまだまだ甘いなスレンダー。

「……未経験? 具合悪いの? 看護師のスレンダーだよ? 遠慮しないで言って?」

社畜にもそんなふうに優しくしてくれよ…。

「……ここに…何か…何かがいるの…!!」

自分の頭を指すジェスチャーをする未経験。

「…うんうん。でも大丈夫。私たちが来たからね? その『何か』もどっか行くと思うから。だから安心して?」

その『何か』が仮に未経験から出てきて、スレンダーに侵入したとしたら…。
どんなカオスなシーンが見れるのだろう…。

「ほんと? ねぇほんと?? ほんとに大丈夫???助けてくれるの? ほんとに?」

しつこいくらい食いつく未経験。

「そうかぁ。良かったぁ。寝る」

自問自答してその場で寝る未経験。自由すぎる…

「……結構やばいかもね…彼女。社畜、ちょっと向こうまで運べる? 車椅子使ってもいいけど、起きちゃったら少し面倒だから…。持てるでしょ?」

社畜、お金を払わないで若い女性と触れ合うのは初めてなのだ☆

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