199

「真性・社畜物語」⑩「お姫様なのです」

とは言っても…。どうやって持とうか…。
地面に体育座りのような形で睡眠に入ってしまった未経験。うーむ…。
考える時間が長ければ「社畜は非力で使えない奴だな」と思われて、スレンダーに応援を呼ばれてしまう可能性がある。
…いっちょやってみっか!
決心した社畜は未経験の曲がった両膝の間に片手を入れ、もう片方の手を背中に添えて持ち上げることにした。いわゆるお姫様抱っこである。
よいしょ…。 っ…。まあ持てないこともない重さである。これがラッパーだったら腰をやられてるところだ。

「おぉ〜やるぅ〜。それじゃ向こうの別の休憩室にいくよ!」
そう言いながら先導するスレンダー。
未経験姫を抱えながら後を追う社畜だが、何故か不思議と興奮しない。
いざ歩き出すと結構しんどいからだ…。
くっ…これじゃあ、ただの運び屋じゃないか…。
しかしそんな社畜に好機が訪れる。

「到着〜、っあ! 鍵かかってるの忘れてた!ちょっと待ってて!!」
その場離れるうっかりスレンダー。
よし…。このお姫様と2人だけの時間到来…。
この休憩室の通りはあまり人が通らないところなので、少しぐらいなら大丈夫だろう…。

「おーい、未経験さーん??」

耳元で声かけ、入眠度チェック。
結果:熟睡

スっーーーーーんんっっ!!
まずは思い切り頭皮の匂いを嗅ぐ。油ァ!!
ハンバーグ作れちゃうくらいの油の匂いだよぉ!
頑張り屋さんの証拠ぉぉぉぉ!!
お姫様抱っこのままなので、やれることは限られてしまうが出来るだけ頑張りますっ!!

続いて未経験の顔面をほぼゼロ距離凝視!
23歳っぽい肌の質だ。よく分からんが…。
続いて「これあると呼吸しづらいよね」と聞こえているのか分からないが、声をかけてマスクを外す。それでは鼻の中チェックスタート!!

………。これは酷い…。鼻毛がジャングル。
おまけに何かそれっぽいのも詰まってる…。
社畜が口で吸い取ってあげてもいいのだが、もし感染症にかかっていたら怖いので今回はウォッチングでいいかな…。

そして最後に…。
社畜は壁に寄りかかりながら、未経験の下半身を自分の膝で支えた。これにより片方の手がフリーになる。

ほーれ。ほれ。

親指と人差し指で局部をチノパン越しにお触り。
良かった…。あの日では無いようだ。もしそうだったら硬い何かで邪魔されていたところだ。

「………」
結構がっつりいってるんだけどな…。無反応…。
ならば…。

社畜は大体ここら辺だろうなと思うケツ穴っぽいところに力いっぱい中指を差し込んだ。

「い゛っっ!!」
身体をビクつかせて苦しそうな顔、そして声を出す未経験。大正解のようだ。そのままグリグリと布越しに中指をほじくり回す。もしこれでお目覚めになったとしても、「気になる『何か』を取り除くための治療だよ!」といえば何とか乗り切れるかもしれない。そんなことないか…。

「お待たせー! って、まだお姫様だっこしてるの?腰気をつけな〜」
鍵を取ってきたスレンダーの気遣いを貰ってる間も社畜は未経験をほじほじしております…

人気の記事