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「真性・社畜物語」⑰「妹を紹介するのです」

どうぞどうぞこちらへ……。
社畜は未経験シスターを休憩室に案内する。
間もなく変わり果てたお姉様が到着致します。

とその前に…。
未経験シスター、かなり社畜のタイプである。
見た目は…ラッパーを更にチャラくした感じだ。
なので少しお肉もある。でも間違いなく社畜病院の豚小屋のエースになれると思う。ちなみ21歳らしい。若いぜよ。

「社畜ぅ〜、未経験ちゃんのお迎えまだ……あ!もしかして妹さん!? 良かった〜」

おつかれスレンダー。下の世話大変だったな…。

「姉貴、迷惑かけちゃだめだろ。ほら帰るよっ?」

シスターが未経験の手を取る。

「っ!!! だめ! 先生に診てもらうんだから!!帰る訳にはいかないの! センセ?そうだよね?」

もうめんどくさいなこれ……。

「あ、姉貴? あの…ここではいつもこんな感じなんですか?」

んな訳ないだろ…。
スレンダーと事の経緯を話す。てかスレンダーはシスターと電話する時、一体何を伝えてたんだ…

「……。正直に言って私の感想は『これ誰?』って感じです。姉貴は家では俗に言う、オタクみたいな人であまり家族とも交流をしないタイプでした。だからこんなに積極的でおしゃべりな姉貴は少し……怖いです」

金髪の割にはかなりしっかりとした受け答えができるシスター。ますます好感が持てる。

「そりゃそうよねー。トラウマにならないように気をつけなね。でも良く前職でベンチャー企業?って仕事ができてたよね。責任感ありすぎるお姉さんだったら結構辛そう。もしかしてその時にもこんなことあったとか??」

それに対してスレンダーの発言は少し大人としてどうなのかというものがある。

「……ベンチャー企業?姉貴は今までずっと動物園でアルバイトしてましたよ?就職というものはここが初めてのはずです」

え……。

「私の悪口?センセ?そんなこと言ってないよね?あー、寒い! 寝るわ!寝ていい??」

少しは黙れ未経験。
こっちも色々な意味でゾッとして寒いんじゃ!

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