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「真性・社畜物語」㉑「最後の一波乱なのです」

「まぁー、ゆっくり休みな〜。社畜が言ってるように体壊してまでやる仕事じゃないからねー」

スレンダーが未経験の乗った車椅子を押しながら、若干棒読み気味のアドバイスをする。

「……は、はい。私、もっと頑張ります…」

もう頑張らなくてもいいよ……。正直今回の事件で仕事場には来づらくなったりしないのだろうか。謎にメンタルが強い……。

「あの……大丈夫ですか??」

あ……今日未経験が担当した若い新人、それにおばはん新人が来た。どうやらずっと心配していて、姿を見に来たらしい。

「未経験ちゃんは大丈夫。今日はもう帰……」


「アァァァァ!!!ゥァァァァァ!!!
頭から離れて!もう出ていって!!!何!何!
何がいるの?アァァァァ!!!!」


……あ、もう駄目だなこれ。
その場で暴れる未経験を後ろから抱きしめて落ち着かせようとするスレンダー。

「社畜っ!妹ちゃん呼んできて! あともうこれ以上は耐えられないから救急車呼んで! 新人達はもういいから仕事に戻って!」

あわあわしている新人達は言われるがまま、持ち場に戻った。
てかスレンダー、そういうときこそ男の社畜が暴れ馬を手懐ける役目ではないのでしょうか…。
まぁいいか……。もう飽きたし……。

社畜は救急車を呼び、シスターに事情を説明。
いやしかし本当に好みである。
この子も発狂しないかなぁ……。

「救急車……って私初めて乗るんですけど大丈夫ですか?」

質問に答えるだけで大丈夫。分からないことは分からないですって答えれば大丈夫。

「長丁場になりそうですね……。あ、あの…」

はい。なんでしょう。

「御手洗借りてもいいですか?」

も★ち★ろ★ん

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