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セカンド覚醒編⑨ー1 「新リーダー選挙」

BOSS尋問の次の日…。
朝礼自らBOSSが仕切る。

『〜というわけで役職チェンジ。換気みたいなものだ。私自身が新しいリーダーを決めてもいいのだが、直接皆が関わる上司だ。皆で選出し、新しくリーダーになったものは私の部屋にすぐ来るように。以上』

職員室の皆がザワつく…。今まで長いことやってきたバリカンはもうリーダーではない。皆と同じただの職員である。以前のような高飛車な態度をとるような気配は全くない。ずっと下を向いている。その横には何とかフォローしてあげたい「はざーど」がいる。もちろん彼女も以前のような、キツい印象は全くない。ただただ暗い…。

「とはいってもよぉ…。新しいリーダーって…」

モブ職員が急に開催されたリーダー選挙に戸惑いの声を挙げる。

「はいはいはい!! ウチね!副リーダーが良いと思う! 実は優しいし、仲間思いだし! ね!?」

ラッパーが急に推薦しだした。セカンドに向けて目線で合図を送るも、セカンドはそれを避ける。
なんかセカンドって後輩にかなり人気だよな…。しかもある一定のラインのお馬鹿に…。

「んじゃ挙手! 副リーダーが良いと思う人ー!」

勝手に多数決を始めるラッパー。周りがチラホラと手を上げ始める。武道も両手を上げている。
なんかのライブイベントと勘違いしてないか…。

「…なんで? みんな副リーダーじゃダメなの?」

よくみれば1/3位しか手を挙げていない。セカンドがリーダーに相応しいと思う人物はそう多くはないみたいだ…。いや違う…ラッパーが仕切っていること自体があまり良くないのだろう…。

ん?よくみればバリカンや「はざーど」も手を挙げている。もちろんチェルシー、それにカントリーも。分かっている人にはしっかり伝わっているようだ…。

「……ありがとラッパー。それに皆、ごめん…。私はまだまだ未熟だからリーダーの器じゃない。だからリーダーは私以外の誰かがするべきだと思う。『せーり』。私は『せーり』を推したい」

「え」

突然指名したせーりが声を漏らす。
おそらくナプキンの上にも何か漏れたに違いない

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