• 329社畜
    2023/10/12(木) 00:02:25 ID:.KAXvZpIi
    >>299 続き

    「さよならカントリー」⑨もう止められない

    「せんぱぁい!! もうほんとに寂しいですぅぅ!」

    「アハハー!やっぱ辞めるの撤回する?まだ間に合うぞー?」

    「チェルシーさ〜ん! もう決まった事なんですからー! できれば私も辞めたくなんかないんです〜! あ、サワーお代わり〜!」

    「あ、あの…カントリーさん飲みすぎじゃ…」

    「リーダー、いいじゃないですか。どうせもういなくなる職員です…。前の職場では退職の記念に倒れるまで飲ませるのが普通でしたよ?」

    「いいぞー!飲め飲め〜♩ えへへ〜」

    「…帰りたい」

    「リーダ…、あ、バリカンさん、しっ〜! 一応、形だけでも最後までいてください…」


    ………なんだこれ。


    遡ること数週間前…。
    計画通り、バリカンがラッパーに追求。
    意外なことにラッパーも武道もそのことを全く知らなかった。ラッパーと武道はすぐさまカントリーを尋問。そして彼女の口から出た答えは…。

    「田舎の家族の体調が悪いから」

    なんとも田舎者あるあるな退職理由である。
    仕事が嫌で退職する言い訳としても結構使われるものだが、彼女の場合おそらく事実だろう。
    セカンドが問いつめて泣いていたというのも、何となく話が繋がる。自ら望んだ退職ではないのでそのことを切り出すタイミングもよく分からなかったのだろう…。にしても朝礼で、しかも「せーり」の新リーダーお披露目のタイミングで退職宣言をしたのも中々の度胸だ。彼女らしいっちゃらしい。

    もちろんラッパーはこの事実をバリカンに伝える筋合いはないので、情報はここでストップ。
    バリカンも「で?結局、理由は何だったの?」と問い詰めることもできないので何も出来ず…。

    ここからは少々雑になるのだが以下の流れでお別れ会が開かれることとなる。

    ラッパー&武道
    「ねー副リーダー? カントリーが退職するって!」

    セカンド
    「…うん。知ってる。もう止められないね」

    ラッパー&武道
    「お別れ会開こう? 折角の仲間だし」

    セカンド
    「いいね。んじゃ皆もとりあえず呼ぶか」

    チェルシー一味
    「お声かけサンクス」

    みたいな流れである…。
    社畜も呼んでくれてサンクス。
  • 331社畜
    2023/10/12(木) 01:00:41 ID:.KAXvZpIi
    「さよならカントリー」 ⑩意外な人物

    ほんでもってお別れ会。
    カントリーと仲の良い仲間達だけが集まり、こっそりとお別れ会が開催されようとしていた。
    (感染予防のため、こういった集まりは普段避けるように会社では徹底されているが今回は特別)

    居酒屋へ向かう道中、数年前のかえで誕生会の事を社畜は思い出していた。あの頃に比べて大分メンバーは変わってしまったけど、やはり仲間という存在は良いものである。あ、あのパン線は十中八九地味パンティ(紺)だな…とバリカンのケツを見て社畜は興奮する。

    「でもさ、副リーダー? いいの?このままだと主役よりもかなり早くお店に着いちゃうけど」

    「…うん。サプライズ…してあげたい。だからさ、皆にも協力してもらいたくて」

    セカンドらしくない提案だ。それだけで十分のサプライズである。

    「珍しいね〜。いいね!全然協力するよ!」

    「ありがとチェルシー、あのね、みんなで動画を撮るっていうのはどうかな?ビデオメッセージみたいなやつ。どう?」

    「…? ここにいるみんなで撮るの? 今から?」

    チェルシーが驚いた表情をする。いや彼女だけではない。ほぼ全員がフリーズした。

    「…え? いけないの?」

    セカンドはジーパンのポッケからスマホを取り出そうとして同じく静止する。
    …あれ?ちょっと怒ってるような表情…。

    「あ…いや、あのさ? 副リーダー? そういうのってもっと事前に撮っておくものじゃ…」

    「それに今回のお別れ会に参加していない人の分も予め撮っておいてこそのサプライズじゃ…」

    ラッパーと「せーり」がセカンドのサプライズプランに恐る恐るダメ出しをする。おそらく彼女達が説くビデオメッセージの定義は間違っていない。社畜も同意見だ。セカンドがズレている。

    「………じゃあどうするの」

    セカンドはちょい出しのスマホを再度ポケットにしまい、苛立ちのコメントをチェルシーに放つ。

    「え!? 私かよ! あーもう!今になってこんな話したってどうしようもないだろ?それに…な?まだ時間もある事だし、ゆっくり皆で計画を練るのも1つの楽しみってことで!」

    チェルシーがセカンドの肩をポンっと叩こうとしたが、ガッシリとその腕はセカンドに掴まれている。まだ少し不機嫌だ…。先が思いやられる…。

    それにしてもこの一行の最後尾にいる2人…。
    バリカンと「はざーど」はこのやり取りに入ってくる気配がない。いつまで気まずい空気を引きずるつもりなのだろうか…。

    そんなこんなで居酒屋前に到着。

    「おーい…まーだ怒ってんのかよ…」

    チェルシーがセカンドの後頭部をツンツンする。
    いいなぁ。社畜もおち○ぽで突きたい。

    「…っるさい!」

    セカンドが毎度の如くキレようとした…その時…


    「懐かしいー。2人とも変わんないね〜」


    みんなのお母さん「ガーディアン」再来。

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