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「さよならカントリー」⑦プライド

「チェルシーさんが聞けばいいじゃないですか!割と誰とでも話せるタイプですよね??」

拒否反応を示した「はざーど」が反抗する。
しれっと小馬鹿にするところが性格の悪さを示している。

「いやいや。あんた達のほうが歳も近いんだし。こんなおばさんの相手してくれないでしょ」

チェルシーがさらっと回避する。
彼女も武道とはあまり絡みたくないのだろう…。
それよりもチェルシーの「おばさん」発言が…。

「……」

チェルシーよりもいくつか歳上のスレンダーが、睨みつけている…。実際この2人は実年齢よりも若く見えてしまうので、おばさんという領域にはまだ達していないと思うが…。
スレンダーは結構気にしてるらしい…。
ちなみにチェルシーはトイレの後、股間を拭かないタイプです。

「そもそも武道って退職の意味分かるのかな」

バリカンがあまりにも馬鹿にしすぎた発言をする。その顔は少し笑っている。
こいつ…狙ってネタ発言しやがったな…。
この中で唯一ヴァージンのくせに。

しかしそんなバリカンに天罰が下される。

「あーもう、埒が明かない! 武道と話すのが不安だったら、武道と仲良いお友達がいるでしょ?その子に聞くのが1番じゃない?誰かさんは同期なんだから。ね? 」

スレンダーがバリカンにむけて放つアイデアはとても面白いものだった。

「……ラッパーのこと…ですか」

ラッパーと同期であるバリカンの表情は一気に曇る。犬猿の仲である相手とは口も聞きたくないはず。そんなバリカンにスレンダーはナイスな提案をした。

「リーd、あ…バリカンさん。私も一緒に聞きますか」

「ダメ」

はざーどの助け舟をスレンダーが沈没させる。

「1人で聞かなきゃダメ。過去にあんた達の間に何があったのかは知らないけど、いい加減関係を修復しなさい!今じゃもう同じ立場なんだから!」

いいぞスレンダー。続いてチェルシーも加勢。

「話せば割と悪いやつじゃないぞ。結構素直でいい若者って感じだし」

チェルシーおばさんも割とラッパー寄りのキャラですぜ…。

「……分かってる」

…? バリカンが声を震わせている。失禁?失禁?
感染事件の再来?? カメラ用意する??

「そんなの…私が一番よく分かってる…」

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