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「さよならカントリー」⑰勃発

せーり帰還…。
「…?あ、これ? リーダーの? 何か落ちてた!」

ラッパーは財布を「せーり」に自然に渡す…

「…あ、ありがとう…ございます」
せーりもごく自然に受け取る…が…

「中身確認した方がいいんじゃねーのー?」

悪酔いしたモブ職員がどさくさに紛れて、禁断の一言を口にしてしまった…。
※ラッパーは以前、策士「はざーど」による財布泥棒の容疑をかけられていました。もちろん冤罪。
「はざーど」の勘違いとして丸く収まった…はず…


「なっ!?誰だよっ!今言った奴!出てこいよ!」
もちろんラッパーも嫌な思い出なので、その事に関しては過剰に反応する。

「あの…まぁまぁ、私は勿論そんなこと1mmも考えてませんから…。落ち着いてください…」
せーりがフォローする。さすがリーダー。社畜はしっかり財布の中は確認させて頂きやした…。

「悪い冗談にも程があるぞ!? 誰だよ!おい!」
チェルシーも加勢。酒も入ってるせいか、いつも以上に口調が荒い。ちょっと面倒だな…。

「もーいーじゃん。みんな悪ふざけって分かってるんだから。そもそもうるさい。うるさいよー」
そしてバリカンが空気を読めない発言をする。お前が1番酒癖が悪いぞ…。

「はぁ!? 元はといえばお前らが仕組んだことがきっかけだろ!? 未だに謝りもしねぇーし!」
ラッパーのド正論。気持ちが良い。

「そんなだからリーダーから引きずり降ろされたんだろうが! 誰かにお世話してもらわなければ何もできないとか子供かよ! 年上のくせにダサっ!」
追撃…追撃…追撃!

「へぇー。こっちだって好きでリーダー下ろされたわけじゃないんですけどー? 」
食いつくバリカン。しかし全然会話が噛み合っていない…。アルコールで頭やられたのか…。

「まぁでも『リーダーになりたい』って一生懸命働いてた時とは、随分変わっちゃったラッパーちゃんにはよく分からないお話かなー?」

…?? よく分かんない話が出てきた…。

「……は、はぁ? 何で…今それ言う??」

困惑するラッパー。 え? なにそれ?何の話??

「それで私がリーダーになっちゃったことで確実に落ちこぼれ路線に走ったよねー。就任当初はなんだかんだでメッセージくれてたのにねー」

バリカンからなんか色々出てくるぞ…。

「っ!! そういうところが嫌なんだよっ!!」

尿意とも戦ってるであろうラッパーは我慢の限界を迎えたのか、目の前のテーブルの上を跨いでバリカンに掴みかかろうとした…その瞬間!

「ねぇ!! 『はざーど』の様子が!!」

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