• 392社畜
    2023/11/07(火) 19:56:49 ID:i1hofYnIi
    「さよならカントリー」 ⑱本来の目的

    「はざーどの様子が!!」

    その声を聞き、はざーどに注目する、
    体育座りになり震えている……。
    進化をするわけではなさそうだ…。

    「もう…本当にすみません…すみません…」

    耳を澄ますと誰かに向かって謝っているのか、ボソボソと謝罪会見を1人で開いている。目線はテーブル上にあるミックスサラダに向かっている。

    目の前で繰り広げられている、戦いの根源が自分であることを感じて精神状態が不安定になってしまったのだろう。「はざーど」あるあるである…。
    しかし、よりによってこの場所で…。

    「よいしょ…。はざーど聞こえる? 大丈夫。安心して。みんな仲直りしたから。ね?」

    いつの間にかガーディアンが「はざーど」の横に腰掛け、元気になる呪文を唱えている。

    「ほんと…? 謝るから…謝るから…」

    はざーどはまた震え出す。そのまま股間を身体に当てて振動を感じたいどす…。

    「うん…。ほら見て、はざーど? バリカンとラッパー、ちゃんと仲直りしてるよ?」

    いやいやいや無理がある…無理がある!
    ほら! 犬猿の仲の2人の顔みて!
    すごい困った顔してるって!

    「ね?」

    ガーディアンの念押しで強めの「ね?」が入る。
    その空気を察したのかそばにいたセカンドも、ラッパーに対して(ほら握手でもなんでもいいから早く何かしろよ)といったキツめのアイコンタクトを送る。
    セカンドからしたら自分の大切な存在のガーディアンが場の空気を和ませようと頑張っているのである。もちろんセカンドも全力で協力する。

    「……っくそ。ほら。ん」

    セカンドの怖さは身体で覚えているラッパーからしたら断ることは不可能だ…。不本意ながら、バリカンに対して手を差し伸べる。

    「ほらー、子供みたいなのはお互い様じゃん。昔みたいにもっと素直に、痛っ!」

    御託を並べるバリカンの頭をセカンドが引っぱたく。…初めてバリカンが殴られた…。傑作…。
    オラ…股間がモゾモゾしてきたぞ…。

    「…いいから握手。バリカン」

    セカンド不機嫌。もっと殴ってやってください。

    「私だって『副リーダーがリーダーだったら』って思ったことありましたよ。そりゃ自分のことは自分が1番よく知ってますからね。もう関係ないですけど。ほら」

    アル中バリカンがまた余計なことを話している。しかしそう言いながらもラッパーの手をしっかり握っている。

    「ほらみて。大丈夫だから。だから少し休も?」

    ガーディアンの計らいで「はざーど」の異変は落ち着く…。ひとまず一件落着…。

    あれ…この何の飲み会だっけ…。
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