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真性・社畜物語 「組織崩壊編」
⑮「崩壊へのカウントダウン」

そしてセカンドは異動した。(セカンドサイドのストーリーも継続します)

残された現場は副リーダーが未定のまま勤務を行なうことになる。驚くことに「せーり」が副リーダー無しでもやっていけるんじゃないか?という人事(BOSS含む)の発案があり『お試し期間』が設けられた。それが今この時なのだ…。

副リーダーの役目は特にない。
あるとしたらリーダーが大変な時に助けてあげる位だ。なのでリーダーが大変じゃなければ特に副リーダーなんで役職は必要ない。
要はリーダーの技量次第なのだ。

せーりの前任者、バリカンがリーダーの時には副リーダーが就いた。つまりはそういうこと…。
さて、せーりはいかに……。

「あ、それ、ちょっと待ってください!」
「あ、忘れてた…! すみません!」
「大丈夫です、大丈夫! 無理してないです!」

せーりがあちらこちらに気配りしている。
これは副リーダーが必要そうだな…。

20代前半という若さで現場の長に任命されるのは大変だよな…。ほとんどのスタッフが歳上な訳だし…。癒しに駅弁fackしてあげたいけど、そんな元気も無さそう…。できれば社畜が「せーり」の業務を手伝ってあげたいけど…。

「wiki!! いい加減、口より手を動かして!」

後ろを振り返ると、医務室でスレンダーがwikiに説教している…。社畜的にはこっちのが大変…。
wikiは医療知識が豊富なので、とにかくウンチクを武器に業務改善を勝手に図る癖ある。しかも理解力の薄い先輩職員には、自身のスマートフォンをポッケから取り出して画面付きで丁寧に説明する。

「いやだから、こっちのが時短になりますから。ほら、みてください」

早速スマートフォンをスレンダーに見せつける。

「…だから!! この業務は昔から『こう』ってきまってるから『こう』なの! あと携帯持ち歩かないで!!何度言えば分かるの!」

スレンダーも頭が凝り固まってきたのか…。今の時代その説教は通じないぞ…。

「主任、こんなことやってる間に検温の時間になってしまいました。行ってまいります」

何事も無かったかのように医務室から出ていくwiki。中々の強者である。しかし医務室の出入口に思わぬ伏兵が…。

「わ゛っ! すみませんー!! 」

慌てていたのか全速力で「せーり」が出入口を横切る。それを上手く避けたwikiだったが、急な方向転換を行ったのでさすがによろけてしまう。

「おっとっと…」 …ゴトッ!

上手くバランスは整えたものの、wikiのポケットからスマホが床に落ちてしまった。それを見たスレンダー。

「カバンにしまえっつーーのー!!!」

スレンダーがwikiのスマホを拾おうと屈んだ…その時…!

「あ゛っ゛っ゛っ゛」

スレンダーがその場に倒れ込んだ。

NEXT▶︎
スレンダーの身に一体何が!?
ちなみにwikiのスマホは傷1つ付かずに無事でした!業務連絡は以上です!!
次回「役職不在地獄」

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