443

事件は医務室で起きてるんだ!⑤

医務室の窓からパトカーが止まっている駐車場を見下ろす。
警察の方が2名ほど来院。
不思議とあまり慌てている様子はない。
守衛さん、ちゃんと状況は伝えられているのか…。

いやそんなことはどうでもいい…。
早く社蓄グッズの安否を確かめなければ…。

あ、普通にあった…。よかったぁ…。
というか何も荒らされていないし、侵入された痕跡もない…。

「社蓄!! 何してんの!!」

ビクッ!!スレンダーの声にビックリしてしまう。

「……なるほど!薬ね!変なところ頭回るね〜」
理由を説明してなんとか納得して貰えたのはいいけど、何かイラッとするな…。

「あ、そうじゃなくてね!社蓄ぅー!なんと!すぐに不審者が捕まったの!」

あら急展開…。

スレンダーに事件の真相を聞いてみると…
・犯人は1人 50代のおっさん
・スマホアプリのポ○モンGo的なアプリをしていて気づけば社蓄病院の敷地内に侵入していた
・がっつり飲酒しており、あまり記憶はない
・バリカンの悲鳴を聞いて、我に返って出口を探すも迷子。運良く警察の方がいたので助けを求めた
・そして捕獲された

とんでもなく迷惑おじさん……。
まぁでも被害ゼロでよかった……。

スレンダーに連れられながら、ステーションに戻ると
天井の窓からうっすら朝陽が差し込む…。

今日の夜勤は長かった…。
肉付きの弁当の昔話からこんなことに発展するなんて…。あともう少しで勤務が終わる…。

「ねぇ!! はざーど! ねぇ!! どうしたの!?」

休憩室からバリカンとせーりの声がする…。

次回【はざーど熱発】

人気の記事