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セカンド覚醒編 プロローグ①

「初めてのこども参観」から数ヶ月…。
職場の空気が以前と比べてガラッと変わった。
主に変化があったのは以下の通り
・セカンドがチェルシーに依存している
・はざーどがチェルシーに敵意を持っている
・カントリーがセカンドに構ってもらえない
(セカンド本人はちゃんと接しているつもり)
・せーりが何か企んでいる

そして…マエノという職員がやってきた…

「あーあほんと容量悪いわー。ここ。リーダー? みんなの教育しっかりできてんの?」
入社してまだ僅かだというのに図々しい口調で、研修担当のバリカンに愚痴を吐くマエノ。
自分より年下だとはいえ、一応上司だぞ…。

「…。うん、みんなしっかり研修受けてるよ…」
立場上、意地を張ってタメ口で答えるバリカン…
どっちもどっちである。

マエノは以前、他の病院でヘルパーとして勤めて
いたが一身上の都合で退職。
それから社畜病院にて事務で働いている夫を頼りに入職をしたという流れだ。
ここでの担当はもちろんヘルパーである。
そんなマエノは決まって「前の職場では〜」と、以前の仕事場と比較して社畜病院での業務に対して難癖をつける習性がある。非常に厄介だ…。
皆様の職場にも1人くらいはいるはず…。

「ったく…なんだよあいつ…」
「リーダーもガツンと言ってやりゃいいのに」
「無理だろ。あのタイプはリーダー苦手だし」
双方ともに外野からクレームが発生している。
モブ職員たちも陰口しか言わない。
行動に移せないのも同罪だぞ…。

「副リーダーは? ああいうの大好物でしょ」
「いやぁ…。ガーディアンさん異動してから
なんかこう…腑抜けになっちゃった感じ…?」
「すっかり変わっちゃったよな〜」
頼みの綱でもあるセカンドもガーディアンの件で
すっかりメンタルをやられてしまっている…。

「前の職場ではみんなビシビシ動く人が沢山いたのになー。ここの人たちってマイペースすぎ。
真面目に働いてるほうが馬鹿みたい。あーあ」

結構ストレスになるマエノだが、言うだけあってかなり動ける人妻だ。実際に3人分くらいの仕事をかなり効率よく進めることができる。
セカンドと同じく性格を除けば優秀な人妻…
もとい、人材だ。

「…で、今日の研修はこれでおしまい?
前の職場に比べたらかなり楽なんだけどー。
これでキツイって人いるの? 結構やばいよ?」
うるせぇマエノ…。

「ところで、ここの頼りない職員さん達は『ライセンス』は持ってるの? 」

「…うん。持ってる人は持ってる…よ」
ぎこちない返事をするバリカン。
背伸びしたその話し方が気に食わない。
そう。
今回はその『ライセンス』がテーマとなります。

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