803

セカンド覚醒編 ② 「マエノ襲来」

一方、喫煙所でも『ライセンス』の話題が…

「えへへー。これもしもウチらが受かって
リーダーだけが落ちたらめちゃ面白いよねー!」
「うっす」

ラッパーと武道がタバコの煙に包まれながらもしもトークを楽しんでいる。
彼女らも強制エントリーの被害者であるが、不思議とやる気はあるようだ…。

「にしてもさ、マエノってやつ。リーダーに対しての態度は別にウェルカムだけどウチらのことも舐めてるのウザくない?」
「うっす」

ラッパー達もマエノの事を敵視しているようだ…
新人の中でも群を抜いて態度が悪いマエノ。
しかし「できる女」なので面と向かっての文句が言いづらいのが現実である。
なのでこのような陰口大会が開催されてしまう…

「くっさ…。まだ紙タバコの人いるんだー」

噂をすればマエノの登場である。
彼女もまた喫煙者である。しかも加熱式。

「…っ! ぁ、いや紙のが美味いんで。はい」

あのラッパーが微妙に敬語を使っている。
マエノはそれほど一目置かれる存在なのだ。

「ふーん。ガラパゴスだねー。そういえばさ?あんた達、リーダーのことどう思う?」
面白い質問がきた。

「リーダー? うーん…。
頭カチカチで面白くない人って感じっすね」
「うっす」

同感である。ちなみに彼女達は知らないだろうが
バリカンはう○ちもカチカチである。
回収するときに棒の先っちょにがっつりとした、固体が付着していることが大体である。

「あははー。そうねそうねー! 分かるー!」
マエノが一服しながらゲラゲラ笑う。
それに釣られて笑みを浮かべるラッパー達。

「…でもね。あんた達はそれ以下だよ。ヘラヘラ笑いながら仕事してるとかありえないから。
見てて結構不愉快。それを注意できないリーダーだからこの職場はダメなんだよなー。前の職場に比べたら〜」

始まった…。マエノの前の職場との比較。
ちなみにバリカンはしっかり注意してます。
そいつらが言うこと聞かないだけです。はい。

「…ということでー。お先ー」
言いたいことだけ言い、先に退室するマエノ。

「…んだよ。あいつ」
タバコを灰皿にグシャグシャと擦り付けながら、愚痴を吐くラッパー。愛するラッパー殿。
どうか社畜に根性焼きをお恵みくだされ…。

そしてドMな社畜は見逃さなかった。
この一部始終を「せーり」が遠くの方から見ていたということを…。

人気の記事