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セカンド覚醒編⑦ー6 「バレる嘘」

「……」

一同沈黙…。セカンドがキレてしまった。

「…いくらチェルシーでも我慢できない。なんで隠そうとするの?言ってよ」

我慢できないセカンドは職場の厄介事はなるべく火が大きくならない内に始末したいタイプだ。
勿論、そういった責任はリーダーであるバリカンが負うのがモットーだが、彼女は処理能力が疎いということを知っているセカンドからしたらなるべく早めにカタをつけたいハズ…。

「……。わーった。言うよ…」

チェルシーが折れたみたいだ。
そして真実がついにセカンドに語られる…。

「……ということ。だけど…な? はざーどだってリーダーを思ってやってしまったことなんだよ。確かに陰湿過ぎたと思う。私も1枚噛んでるし…。でもリーダーには秘密で動いていたからさ。リーダーは本当に関係ないんだ。そこは理解してくれる…よな?」

間違いなく真実を伝えている。チェルシーのそういう潔いところは素晴らしい。腹出てるけど。

「…。セカンドさん、ごめんね。私がもっとしっかりしていなければいけなかったんです…」

バリカンが謝罪をする…。
違うだろ。お前が謝罪するのは憎きラッパーだ。
お詫びとしてケツ穴ヴァージンください。

「…。最悪。はざーど?今から謝りにいくよ?
ラッパー達に。ほら」

「ガラッ」と休憩室が開く音がする。
セカンドの行動力は素晴らしい。
社畜はすぐに医務室を離れ、彼女たちの後を追うことにした。

「…っおい。いきなりすぎだろ。もっと話を整理してからじゃないと! っておい!」

休憩室から出てくる御一行。
セカンドは無表情の「はざーど」の手首を掴んでいる。
その後ろからチェルシーがセカンドの肩を掴んで
説得を試みている。
肝心なリーダー、バリカンは…
両手にジュースを1本ずつ持ちオロオロしている。

なんだこの絵面…。

「この時間だと…喫煙所か…。ほらいくよ」

セカンドが「はざーど」を連行する。
受動喫煙ツアー開始である。

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