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セカンド覚醒編⑦ー7 「誤解」

「…ハァ、なぁ? おい! ハァ…話、聞けって…!」

チェルシーが止まらないセカンドをなんとか制止しようと奮闘している…。
しかし息遣いが気になる。てか息臭そう…。
でもチェルシーが本気を出せばセカンドの動きは止められるハズ…。チェルシーの中でも迷いがあるのだろう。
・セカンドの正義心(ホントは厄介事を片付けたいだけ)を尊重するべきか
・はざーどの若さ故の過ちをフォローすべきか

『ブレブレなあんたに何も言われたくねーよ』

以前にチェルシーがガーディアンに放った罵声である。今のチェルシーはまさにブーメラン状態。

「無理。謝らせる。こんなの最悪。あとからこの嘘がバレたらもっと最悪だから。だから今じゃなきゃ駄目」

あれだけ強気な「はざーど」も破壊神セカンドの目の前では無抵抗だ。単純に怖いのだろう…。

喫煙所まであとわずか…。
はざーど謝罪タイムが迫っている…。
が、しかし途中である人物が立ち塞がる。

「…せんぱい? 何してるんですか? 何でリーダー達と一緒にいるん…です? …その手…。」

カントリー登場…。これは更にややこしい。
しかもカントリーの目はセカンドが掴む手に注目している。

「っ…あっ…はは…。まぁあれだ。今度やるレクリエーションの練習?みたいなやつよ!な?」

あまり大事にしたくないチェルシーが適当にやり過ごそうとする。
それに合わせてバリカンも頷く…。
いや…さすがに無理があるだろう…。
どんなレクリエーションよ…。

「せんぱい…リーダー達とも仲良しなんだ…」

カントリーが無表情になっていく…。怖い…。
チェルシーの嘘は逆効果だったようだ。


そしてトドメの一発が入る。

「邪魔」

セカンドが目の前のカントリーを手で払う。
御一行は喫煙所を目指し、再び歩み始める。

「せん…ぱい…」

カントリーの心の中で何かが崩れる音がした。

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