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セカンド覚醒編④ー4 「忘却」

「社畜さんいつも疲れてる顔してるね〜。
ふぁいとふぁいと♩ …ズルズル」ここは食堂。
社畜は心配とご飯を食べることが何より幸せ。
社畜がもしタバコを吸えたらラッパーと一服することができてもっと幸せなのだが…。
唯一社畜のことを気遣ってくれる事務所の女神、「心配」 彼女はジャンクフードを好んでおり本日もカップ麺をすすっている。
いくら食べても食べても太らないその身体が心配なのだが、今社畜が心配しているのは別席にて1人で寂しそうに社食を食べているカントリーである。

『昼休憩、一緒にご飯食べましょ? 約束〜!』

セカンドとの約束は何処へ…。そこへラッパーと武道が現れる。

「おいっす〜! いた! おーいカントリー!」
声が大きい…。マナーというものは無いのか…
でもラッパーのそういうところが好き。

「………ファーィ」
声にならない返事をするカントリー。
へこんでいるようだ。しかし胸は結構ある方だ。

「うわ〜、テンション低ぅー!
どしたん?どしたん?何があったん??」
突っ込むラッパー。そっとしておいてやれ…。

「……センパイ、せんぱいが〜」
落ち込んだ顔で事情を説明するカントリー。
申し訳ないがカントリーは笑顔より絶望的な表情のほうが似合う。興奮する。我HENTAIなり。

「…ぁ。さっき喫煙所にチェルシーといたよ?
ね?武道?」

「……ぅ、うっす」

ゲッ…。そこはちょっと気遣えラッパー。
さすがの武道もなんか微妙な空気感じてるよ…。

「チェルシー……さんと…ですか…」

カントリーの声が重くなる。
そして目つきが変わる。また…あの目だ。

「…んなことは置いといて! 『ライセンス』の勉強、一緒にしよ? 仕事終わったら集合ねー!」
カントリーの精神のキャパシティ的に置く場所なんてもうないと思うぞ…。
しかもラッパーよ。お前絶対飲み行く気だろ…。

「…はい…分かりました…」とカントリー。
言うだけ言って退散するラッパー達。
武道が(カンちゃん…)といった表情でチラチラ顔色を伺っていたのを社畜は見逃さない。

「おーい社畜さーん? もしもーし?
カントリーちゃんのこと好きなのー?」
心配の声で我に返り、え゛!なんで!!といった表情をする社畜。
社畜が好きなのはラッパーですぞぃ?

「ずっと見てたから〜。でも彼女結婚してるからね〜ダメだぞ〜そういうの〜」

心配がおちょくってくる。そういう所も好きだ。
でもよく見たら鼻毛が少し出ている。
そういう所がとっても大好きだ。
いやとにかく! カントリーがなんかマズイ…。

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