• 650社畜
    2023/05/18(木) 23:57:36 ID:9zrb76v6i
    ラッパー制裁編⑪

    「落ちこぼれ」
    この言葉に即座に反応したのは武道であった。
    我慢の限界に達したのか、チェルシーに飛びかかろうとする。

    「…武道…いいよ」
    がしかし、武道が1歩目を踏み出したところでラッパー目の前に立ち塞がる。

    「もういいよ…。仕事しよ。仕事」
    「…………?」
    ラッパーのまさかの発言に驚く武道。

    「…………?」
    拍子抜けした表情のチェルシー。

    言葉より拳で語り合うタイプの人間はリアクションも似ている。
    その後は何事もなかったかのように黙々と仕事をするラッパーと武道。
    耳を潜めると「…ゼッテー、○ロス」 「ゥス」 と物騒な会話が聞こえる。

    「ほら〜やっぱりラッパーさんもいい人ですし、武道さんも友達想いなんです! 偏見は良くないですよね〜??」
    ラッパーのことを「犯人」と決めつけている職員等にわざと聞こえるように話すカントリー。

    「シッー! もう! そんなこと言うから余計に事が大きくなるんでしょ! 皆?気にしなーい!」
    ガーディアンがカントリーの挑発的な失言をフォローする。まさに皆のお母さん。
    40代なので絶対に乳輪は黒いと思います。

    ってあれ…。
    チェルシーがきょろきょろしながら休憩室に入っていく。何だろう。1人エッチでもするんかな…。
    後を追い、隣の部屋で盗み聞きモードになる社畜。

    「……さすがになんか大事になりすぎてないか?
    あそこまで落ち着かれると逆に何か…気持ち悪い」
    チェルシーが何か話している。

    「別にいいじゃないですか。結果的には大成功です。ガーディアンさんには悪いけど、あの武道も巻き込んでくれたのはとっても有難いと思う」

    この酸っぱい匂い…もとい辛口の口調は「はざーど」だ…。2人だけで秘密話ですかい…。

    「リーダーを騙すのはさすがに気が引けたけどね…。でもこれもリーダーが望む職場の正しい環境作りのため。チェルシーさんも分かりますよね?」
    ……ん?どういうことだ。

    「……だからといって、あいつに濡れ衣着させるのはさすがにやり過ぎだって!」
    濡れ衣…。はて…?

    「チェルシー? それ以上に私たちは彼女らの悪ふざけに振り回されてきたんだよ?
    それに比べたら『私のサイフからお金が抜かれた』作り話なんて可愛いものじゃない?」

    …はざーどの口調が変わった。
    尚且つ、恐ろしい事実が判明。
    『自作自演』だとは…。

    「キレるなよ…。あんたの気持ちも分からないこともないけど、このことがリーダーに知ら…あ゛」
    んん??

    「……それほんと…なの? はざーど? 」

    この声は…バリカン!!

    ▶︎もうちょっと続く
    「次回 バリカンの選択」

人気の記事