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ラッパー制裁編①

数日後…… 休憩室にて

「1発叩いたら大人しくなるでしょ。あいつは口だけっぽいし。簡単な話と思わない?」
何やら物騒な話をしているのはチェルシー。

とても30代後半の考えとは思えない…。
彼女もまたヤンキー上がりなのである…。

「いや駄目ですよ。確かにそれが私もそれが一番スカッとしますけど…。今後のチェルシーさんの仕事に影響がでます」

冷静にチェルシーの案をボツにする「はざーど」
議題は「ラッパーの暴走を止める方法について」である。

そんな2人だけの空間に隣の部屋で聞き耳を立てる社畜。ちゃっかり「はざーど」のインナーを着用しております…。キツキツでクサクサ。最高…。

「それに…」

はざーどが加えて発言する。

「副リーダーと同じ手を使うなんて恥ずかしいと思いませんか?あんな野蛮な人…。最低ですよ」


そう、副リーダー「セカンド」は過去にラッパーを「詰めた」ことがある。
実際に何をしたのかは分からないが、ラッパーがしばらく落ち込んだ程である…。
少なくともチェルシーのアイデアは既に実行されていたのだと考えて良いだろう。

「…ま、そうだね。リーダーだってそんなので解決しても嬉しくないだろうし、後がやりづらいもんね。りょーかい。んでどうするの?」

物分りがよいチェルシーだが、武力行使以外のアイデアが浮かばないようだ…。

「チェルシーさん……。秘密、守れますか?」
「…え? あ、まぁ…」
「ヒソ…ヒソヒソ…ヒソヒソカ…ズギューン」

なんだ……聞こえないぞ……。

「……さすがにやり過ぎじゃ…。」
「いいんです。多分ラッパーには効果抜群だと思いますから」

チェルシーが引くほどのアイデアって…。


「……社畜。何してんの?」

ギョエ!!
後ろを振り返るとスレンダーがいた。

「……おっさん臭っ。
こりゃハラスメント案件だわ。アッハッハ…」

スレンダーが小馬鹿にしながら笑う…
20代の女の子の臭いがハラスメントで訴えられてしまいそうになった瞬間なう。

残念ながら盗み聞きはこれにて終了…。
これから何が起こるんだってばよ…。

▶︎続く
「次回 貴重品管理は自己責任」

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