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セカンド覚醒編⑥ー3 「友情」

まさかの来客者のラッパーと武道。
セカンドの席を見つけるやいなや急接近。
そして2人で両サイドに立つ。異様な光景…。

「あ、あのさ…副リーダー?
ちょっといい…っすか?」
勢いよく登場した割には低姿勢なラッパー。
セカンドの恐ろしさを十分に知っている証拠だ。

「……っん。 なに?」
…っん▶︎お茶を飲んだ擬音である。
セカンドは割と喉と鼻を鳴らしながら水分を摂るクセがある。

「カントリーのことなんたけどさ…、
最近元気がないっていうかボーッとしてる感じで…。テンション上げさせたいんだけど、どうすれば良いか分かんなくて…。ほら?副リーダーだったらカントリーと仲良いじゃん?だから何か事情とか知ってるかなと思ったってわけ!……です」

事情を知る張本人は目の前にいるぞラッパー…。

「知らない」
即答するセカンド。
いやお前平気な顔で嘘つくなよ…。

「カンちゃん言ってた。『最近せんぱいが変わっちゃった』って」

「あ、ぶど…その話はこれから…」

武道とラッパーがなにやら打ち合わせ不足の様子である。そんなことも気にせずお口直しのお茶を飲み続けるセカンド。

「…とにかく!
カントリーの元気の源は『副リーダー』なんだからさ! 何があったかは知らないけどカントリーのことを気にしてあげ」

ガタッ!!!

セカンドが急に立ち上がる。
反射的に1歩下がり距離を空けるラッパー。
それとは反対に微動だにせず、密かに拳を握る武道。

「…邪魔。食事下げれない。どいて」
It’s so Cooooooooool!
警戒する2人の間を堂々と割って、お盆を持ちながら食堂の出口に向かうセカンド。

ラッパー達によるカントリー気遣い作戦は失敗に終わったようだ……。

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