922

セカンド覚醒編⑦ー2 「あの時」

「お、お疲れ様です」

「……うん。お疲れ」

ぎこちない挨拶をする「はざーど」
そしてクールなお返事をするセカンド
この2人が直接絡むことは仕事上でもあまり無い。
珍しいシーンに出くわした。壁越しだが…。

「チェルシー…見なかった?」

セカンドはチェルシー探しに夢中である。

「いえ……見ていないです」

「…そっか。ありがと」

この2人の会話単調すぎる…。
なんかもう少し面白い話を提供してくれよ…。
「私の腋嗅ぎます?」みたいな濃いーのを…。

「あ、副リーダー! あの…チェルシーさんと最近よく一緒にいますよね? 何話してるんですか?」

その場を去ろうとするセカンドを引き止めて、はざーど自身が気になってるであろう質問をする。

「…え? えっとね、まあ色々かな…。うん。そう」

明らか動揺した声で返答するセカンド。チェルシーといい、ガーディアンといい露骨すぎるぜよ…。

「……チェルシーさん、最近おかしいんです。それも副リーダーと仲良くなってから…。『あの時』何で副リーダーは泣いてたんですか?
それもチェルシーさんの胸の中で」

セカンドとは対照的に落ち着いたら口調の「はざーど」。しかし内容がぶっ込みすぎている。

『あの時』…それは「初めての子ども参観編」にて
セカンドがチェルシーに堕ちた時のことである。
あの場に偶然居合わせたメンバーはセカンドの意外すぎる号泣姿、その涙でチェルシーのTシャツがビチョビチョ。そしてそのセカンドの泣き顔のあまりの顔面崩壊具合が社畜の性癖どストライク。社畜の股間もビチョビチョ。

あまりに情報量が多い『あの時』についてはその後誰も触れずにいた。しかし「はざーど」は違う。
きっとチェルシーの変化に苛立ちを覚えていたのだろう。過去に「裏切り者」発言もある。

「ん…。それは…、あー、えーーと」

いつになく目が泳いでいそうなセカンド。
その動揺した声だけでご飯3杯は頂ける。

「チェルシーさん、正直迷惑してますよ。
前まではよく喧嘩していた癖に、都合が良い時はそうやってベタベタするなんて。副リーダーより大人なんですからね?チェルシーさんは。
いい加減、副リーダーが気を遣わせてるって自覚して下さいよ!」

セカンドが珍しく説教を受けている。
それだけ鬱憤が溜まっていたということか…。
しかし相手が相手だ。はざーど……。
前歯2本位は覚悟した方がいいぞ…。

「……そうなの? それチェルシーが言ってたの?」
ねぇ…。それほんとにチェルシーが言ってた?」

効いてしまっている…。

人気の記事