• 834社畜
    2023/06/16(金) 19:46:49 ID:byB4jdQ.i
    >>813 続きどす…

    セカンド覚醒編⑤「はざーど先生」

    医務室の隣の休憩室は休憩以外でも使用できる。例えばこんな時…。

    「…なるほど。そういうこと…。」
    バリカンが感心したようなトーンで呟く。

    社畜は医務室から盗み聞きしている。
    なんとなくお隣の様子が脳内イメージで形成されていく。恐らく全裸でライセンスの勉強でもしてるのかな…。

    「さすがですリーダー!
    …ちょっと暑くなってきましたね。
    リーダーはジャージ脱がなくて大丈夫ですか?」
    この声は「はざーど」!
    なんだ全裸じゃないのか…。
    というか「はざーど」と密室って、いざ考えてみると中々の拷問だ…。バリカンは辛抱強い。

    「うん…冷え性だから。
    それはさておき、次の問題のこれ!どう?? 合ってる? この前間違えちゃったけど今回は自信ある!」
    冷え性…。
    三十路への扉が着々と開かれようとしているバリカン。それに負けず勉強に熱心である。

    「あ、はい! 合ってます合ってますさすがです!!」
    褒めちぎる「はざーど」
    でも何かおかしい…。若干棒読みに聞こえる…

    「やった〜。ちょっとトイレ行ってくるね」
    中座するバリカン。
    このまま陰毛交渉をしたいところだがバリカン達、役職者が使用するトイレは交渉不可能な事務所トイレである。何とか良い手はないものか…。
    …ん? 何か聞こえる…。

    「……あんな自信満々に『合ってる?』なんて言われたら…ハァ…。」
    …?? どういう独り言だ「はざーど」よ…。

    「…前回と同じ間違いしてる…。
    リーダー、大丈夫かな…。疲れてるのかな…」
    なるほど…。嘘が上手だな「はざーと」よ…。
    しかしラッパー事件の嘘は許せない…。

    「はざーど…、何も別にこっそりリーダーの答えを書き直さなくてもいーんじゃないの?」

    「っ! チェルシー! 勝手に入ってこないでよ!
    リーダーに勉強教えてるんだから!!」
    びっくりした…。チェルシーも来たのか…。
    声だけだとなんとも気配が感じづらい…。
    それに「はざーど」のバリカンに対する優しさは少し度を超えている気がする…。
    そしてなによりチェルシーへの敵対心が剥き出しで恐ろしい。「剥く」という言葉も恐ろしい。
    I’m hokei

    「はぁ…りょ〜かい。いい加減機嫌直せって…」
    チェルシーの落ち込んだ声が聞こえる…。

    「…裏切りもの…」

    チェルシーに聞こえるか聞こえないかのトーンで、はざーどの心の声が漏れた。

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