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「さよならカントリー」①突然の知らせ

これは「せーり」が新リーダーに就任して間もない話。

「えーと、私の挨拶って…」

せーりが困った表情でセカンドに助けを求める。

「いいよ適当にやっておけば。キャプテンだった時と同じように堂々と挨拶すれば問題ないから」

セカンドが淡々とお悩み相談に答える。

これから改めて新リーダーとなる「せーり」の意気込み的な挨拶が始まる。ザワザワする職員室。皆は興味津々だ。なんたって、今までみんなの妹的なポジションで頑張ってきた「せーり」が立派になったのだから…。結構愛されている。

「はいー、ではあの、皆さん改めまして…」

しかしこの「せーり」という女、つい先日までどうなってもいいや的な精神で働いていたクセに、いざリーダーの立場に就くとここまで性格が変わるとは。どっちかというと破滅的な思考だったから精神崩壊して潰れると思ったのに…。セカンドが暴走している時にBOSSにチクったのも彼女だ。ツレのマエノも1枚噛んでるし…。なんだか気に食わない…。バリカンの次にムカつく女にレベルアップしたぜ…。絶対駅弁fackしてやる……。、

「…というわけでよろしくお願いしまーす」

皆の拍手で挨拶がいつの間にか終わっていることに気づく社畜。いかん、妄想が過ぎた…。

「はい、お疲れ。それじゃ朝礼は以上で……」

「すみません!せんぱ…副リーダー!宜しいですか!」

セカンドの締めの挨拶を遮る人物がいた…。
カントリーだ…。

「ほんっとにすみません! 少し伝えたいことがあるんです…。いいですか?」

「いやだめ。これから仕事始まるし、そもそも時間押してるから」

拒否されるカントリー。それでもめげない。

「じゃあもうこの場で言います! 私、あと1ヶ月で退職します! 残り短い時間ですが! よろしくお願いしまーーーす!!」

サ○ーウォーズ顔負けの強行的な挨拶をかましてきたぞ…。
せーりの挨拶以上に周りがザワついている。
セカンドも呆気にとられている様子だった。が…

「……ちょっとこっち来て。皆はフロアに出て」

セカンドはとりあえず周りの職員へ仕事にいくように指示。そしてカントリーの腕を掴むと休憩室へ引っ張るようにして連行。

「痛っ!…せんぱい力強すぎっ…」

カントリーが不満を漏らす。
それ以上にセカンドの目がバキバキで恐ろしい。
社畜も小便漏らしちゃいそう。
その小便を「せーり」の顔面にぶっかけたいなぁ…。彼氏さんの目の前で…。

それじゃ社畜も恒例の盗み聞きと参りますか…。
休憩室の壁の向こうは医務室に繋がってるのでね…。社畜は自分の巣へ帰ります…。

「社畜ぅー。ちょうど良かった〜。このジャムの瓶の蓋開けてくれない?」

なっ…。スレンダー!? セカンド達の会話が気になるっていうのに…。なんだよその注文…。

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