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>>358 つづき

「さよならカントリー」⑮抵抗

せーりがダウンすると酒飲み軍団は自分たちの席に戻り、再びどんちゃん騒ぎを始め出す…。
酒癖悪すぎだろ…。こいつら…。
社畜は酒があまり飲めないので悪酔いする連中がとことん嫌いである。

「…だ、大丈夫です? リー…あ、バリカンさん、リーダーが結構マズイかもしれませんよ…」

はざーどが元リーダーに現リーダーへの心配の共感を求める…。

「…大丈夫じゃない? そんなに気になるなら、幹事のセカンドさんにでも言えばいいじゃん。『あんたがリーダーになればいーじゃん』ってねー」

元リーダーは現リーダーへの気遣いは一切無し。挙句の果てに飲み会リーダーを頼れとの突き放し発言。極めつけは酔いすぎなのか、意味不明なお話をする始末。駄目だ…。使い物にならない…。

「ゲェプ…ェー」

隣の席の現リーダー「せーり」から強烈な酒の匂いが漂う。分かる。これはかなり悪酔いしていて、吐く時に固体っぽい嘔吐物が出るパターンだ…

…ここで吐かせるのも面白い。あわよくば脱糞もしてくれないかな…。そうすれば新旧リーダーの公然排泄トロフィーがアンロックされるのだが…
とりあえず社畜は「せーり」の身体に触れたくなってしまった…。

だ、ダイジョーブかな? リーダーさぁん?

そう言いながら社畜は「せーり」の頭を撫でる。今思えばなぜ初手でいい子いい子してしまったのだろうか…。低身長な彼女をどこかしらで妹分とでも思ってしまっていたのだろうか…。

「ップ…わたし彼氏いるんで。間に合ってます…」

酒臭い口臭を放ちながらやんわりと社畜の腕を掴んで、拒否反応を示す「せーり」
少しイラッときた…。割と意識もしっかりしてんじゃないの…。どさくさに紛れて色々とお触りしたかったのに…。それに『彼氏がいるので間に合ってます』って発言がどうにもムカつく…。

「せーり?大丈夫?外の空気吸いに行こ?」

!? セカンドとガーディアンが気づけばこっち側にいる!!異変に気づいていたのか…。
いつも家の都合により、飲み会は車で来ていたセカンドもイケメン君というパートナーが出来てからは余裕があるのか本日は普通に飲酒している。しかも結構強い方だ。ガーディアンも割と飲む。

「ぁー。ちょっと飲みすぎちゃって。ぁーはい」

同性の誘いにはすんなり受け入れる「せーり」
セカンド達め…。余計なことを…。
もう少しでゲロテロリスト誕生だったのに…。

「リーd…、バリカンさん? 私たちも外で休憩しませ」

「しない。寒いの嫌い」

もうそろそろ殴ってもいいと思うよ…はざーど。

ん?
せーりが離席する際に彼女のジーンズの尻ポケットから何かが落ちるのを社畜は見逃さなかった。

これは…財布…。


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