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セカンド覚醒編⑧ー3
「尋問〜セカンドの場合〜その1」


「失礼…します」

セカンドの声が隣のBOSS部屋から聞こえる。
しょぼくれたバリカンから「次どうぞ…」と言われたセカンドは今どんな気持ちなのだろうか…。
自分の暴走によって起きてしまった今回の事件。はざーどやカントリー、ラッパー達、そして大切なチェルシーを巻き込んでしまい最悪の結果になってしまった。(カントリーは自分から巻き込まれに来たのだが…)

『セカンド…今回の…』

「し、失礼します!!!」

!? 誰か入ってきた…。

「BOSS!ほんとすみません!ちょっと言わせてください!!」

「うっす…」

お前らかよ…。ラッパー&武道…。にしても中々度胸がある…というかお馬鹿なのか…。

「あ、あの…副リーダーは今回何も悪くありません! ウチ、はざーどにあの後謝られたんです!『自分のせいで貴方たちを悪者にしちゃった』って!そのことで副リーダーはウチ達のことを庇ってなんていうか…その…キレちゃったんです!」

「うっす…カンちゃんも反省してた。『自分のシジョーでチェルシーさんも巻き込んじゃった』って言ってた。よく分かんなかったけど」

「それにさそれにさ? 私がサイフのことで疑われてた時にも副リーダーは唯一味方になってくれたんだよ? そりゃ怒ると怖いけど、なんだかんだでウチらは副リーダーを尊敬してる」

熱いじゃんよ…。
ラッパー、そして頭がお豆腐の武道…。
そういう人情が今の時代には足りていないのさ。

「だからさ? 副リーダーのことは勘弁してもらえない…ですかね? BOSS…?」

若干語尾が弱々しいけどそれだけBOSSが恐ろしい存在ということだ…。

『……出ていきなさい。今はセカンドと話している。それより…禁煙。会社では吸わないこと』

……あまり効果はないようだ。
しかも念押しで禁煙宣告を受けてしまった…。

「……はい」
ラッパーの残念そうな声と同時に扉が閉まる音がする。無念だな…。でも格好良かった…。うん。

「あの……」

セカンドが気まずそうにBOSSに話しかける。

『………』

BOSSは沈黙している…。寝てるのか…?
しかしその時

『……ッアーハッハッハッハ!!!』

急に笑いだした…。

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