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セカンド覚醒編 ??ー③
「最終話 〜セカンド〜」

「…まぁ、そんなこともあるよ!うん!」

ラッパーが必死に試験に落ちたカントリーのフォローをする。武道は未だに「え」と言っている。

「……私は大馬鹿者ですぅ〜。あ〜!!」

頭をガリガリ掻くカントリー。禿げるぞ…。

「……カントリー。聞いて」

セカンドが口を開く。おそらくあの身代わりビンタの時以来の2人の会話だ。

「確かにあの時私はカントリーに向かって手をあげようとした。それは謝る。でもね?やっぱり、言って欲しくないことは誰にだってある。カントリーも今まさにその状況でしょ?だから今回のライセンスのことは私は絶対にバカにしないし、誰にも言わない。だから…その…頑張れ…」

カントリーのガリガリしてる手を退かして、代わりにワシャワシャ頭を撫でるセカンド…。
暖かい光景だが、若干フケが舞っている。

「…せん゛ぱい゛ぃぃぃ」

そう言いながら大好きな先輩にハグをしようとするカントリー…だが…

「おーい! セカンドー!」

その声に反応したセカンドは反射的に声のする方へ体を移動する。よって空振りとなってしまうカントリー。

「…カンちゃん…どんまい…」

そっとカントリーの横で囁く武道…。面白い構図である。
セカンドが反応した声の主はチェルシー。

「ほら、迎えにきたぞー!!」

カントリーはチェルシーに睨みを効かす。
でも以前とは違う。冗談交じりのような…少し悪戯な感じの優しい目線だ。語彙力皆無謝罪。

「……うん」

そして食堂を飛び出すセカンド。
そのセカンドの背中を見送る職員達。それぞれの職員にそれぞれの思い出がある。(苦い思い出ばかりだが)こんなに心強い仲間達がいるのだ。

セカンドはもう1人では無い
ガーディアンの想いは不完全ながらも叶った…ことにしておこう。おめでとう。
今日は早く帰ろう。ゲームがしたい。
社畜はそう思い、そのまま職員玄関に向かうと…

「ってかよぉー、よく昔の職場に顔だせるな〜。もうすぐで嫁さん来るから! 大切にな!」

チェルシーがとある人物と話している。

「っるせぇ!相変わらず口悪いよな〜チェルシー。まぁでも元気そうで良かった。あ、お疲れ」

夕焼けが眩しくて相手の男がよく見えない…。
それに…嫁さん…? 誰が…ん??
そこにセカンドが現れる。

「うん…お待たせ…イケメン」

セカンド覚醒編 〜完〜

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