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>>331 続き

「さよならカントリー」 ⑪励まし

「…??」

セカンドが意外な人物の登場にきょとんとしたリアクションをしている。今なら下着ごとズボンをずり降ろせる隙はあるハズ…。○にたくないから絶対しないけど…。しかしこの驚き具合からしてガーディアンをお別れ会に招いたのはセカンドではないことは確かだ。だとすると…。

「おー、思ったより早く着いたねー。いやぁ〜助かったよー!急に機嫌が悪くなっちゃってさ〜」

チェルシーがセカンドの頭をツンツンしながらガーディアンに助けを求める。
恐らく呼んだのはチェルシーだな…。
早く言ってくれよ…。以前の飲み会の時みたいに「うんちブリブリ薬」をプレゼントしてあげようと思ったのに…。

「いや、そっちがおちょくってきた…もういいや」

いつもだったら口論か実力行使に発展するセカンドだが、ガーディアンの前だと大人しくなってしまう。イケメン君というパートナーが出来ても、本当に心を許せる存在はガーディアンだけなのかもしれない…。つい最近まではチェルシーだったが…。ケツはでかいクセに結構な尻軽女である。

「丸くなったね。チェルシーから話は聞いてる。しっかり皆を取りまとめてるんだって?成長したんだね…」

ガーディアンが労いの言葉をかけながらセカンドの頭をなでなでする。セカンドは顔を赤らめながらも小さな声で「ウン」と言った。
いやそこは「皆のおかげです」だろうが!!!!

「みんなも久しぶり。元気してた? あ…」

ガーディアンが周りを見渡し、陰に隠れているバリカン達の存在に気づいた。おそらくリーダーを降格したこともチェルシーに聞いているに違いない。ガーディアン自身も元々バリカン信者であったので色々複雑な気持ちだろう…。

「あ、久しぶり…です」

意外にもバリカンから挨拶をした。

「久しぶり。ここ最近かなり大変みたいね。私は何もしてあげられないけど、1つだけ伝えたいことがあって…。私の仕事への姿勢は間違いなくバリカンから教えてもらったことが活かされている。本当に感謝してるよ?だから自信持ってね!」

ガーディアン、そいつに変な自信与えないでやってください。今はとことん落ちるとこまで落ちてもらわないと…。一旦プライドをズタボロにしないと更生できないでやんす…。

「リーダ…、あ、バリカンさん!私も同じ気持ちですよ?」

はざーどの毎度の如くの言い間違いが地味にバリカンのメンタルを削っていく様が面白い…。さすがにわざとじゃないかと疑うレベルだ…。

「私もバリカンさんから色々教えてもらってきた人間です。過去に酷いことを言ってしまった気もしますが、仕事への情熱は素直にリスペクトしていますよ」

現リーダーの「せーり」が周りに乗っかり、バリカンを励ます。「酷いこと発言」はおそらく「幻の演奏会編」でのことを示しているのだろう…。
このちゃっかりヨイショするところが「せーり」の強みである。おかげで周りにはほとんど敵がいない。

「ほら。皆ちゃんと評価してくれてるんだよ?だから落ち込むのはもういいんじゃない?ね?」

「え!?」

ガーディアンの「ね?」はまさかのラッパーへと送られた。これは意外中の意外だ。

「…ま…別にいいんじゃん?みんながそれでいいなら。な?」

「うっす」

武道、絶対このやりとりを聞いてなかっただろ…
それにしてもラッパーがバリカンについて前向きな発言をした…。これは仲直りフラグなのか…

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